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インターネット広告代理店大手のオプトホールディングは2020年7月1日、社名をデジタルホールディングスに変更した。1994年にファクスによるダイレクトマーケティング事業で創業したデカレッグスがオプトに社名変更したのは創業の翌年。25年ぶりに社名を変更する決断の背景にあったのは強い危機感だ。まだしばらくは伸び続けるとみられるネット広告市場にいても、20年後の未来は描けない。デジタルホールディングスの鉢嶺登代表取締役会長がその狙いについて語った。

デジタルホールディングスの鉢嶺登代表取締役会長(写真:的野 弘路)

創業から約25年で社名変更を決断した理由は。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)支援を主な事業とする企業に生まれ変わるためだ。オプトはネット広告代理店としてのイメージがついている。これを払拭するためには、いっそのこと社名まで変更したほうがいいと判断した。同時にミッションステートメントも策定し、「デジタルを、未来の鼓動へ。」とした。

 2000年代初頭、ネット広告は存在感がなかった。広告といえば既存のマスメディアを対象としたもので、クライアントにネット広告出稿を促しても断られていた。だが、それから20年で世の中は変わった。今、時代が求めているのはDXだ。多くの企業はデジタルへ移行した先の姿について具体的なイメージができていない。我々としてやりがいのあるテーマだという思いが日に日に強くなった。

 ネット広告市場はこの先も10年くらいは拡大を続けるだろう。だが、競争環境が厳しくなっている。さらに言えば、インターネットの最大の特性は売り手と買い手を直接つなぐことにある。仲介業や代理業は基本的に消え去るべきもの。20年後も続けられるかと言われれば、はなはだ疑問だ。それは既存の広告代理店を見れば分かる。電通や博報堂は生き残っているが、3位以下は厳しい。一時的にサイバーエージェントが電通グループの時価総額を抜いたことも話題になった。

 明日は我が身だ。この先必ず来るであろうときに備え、広告代理店のビジネスモデルを自ら破壊しにいかなければならない。

 我々には2030年に時価総額1兆円という目標がある。売り上げの8割をDXで作り上げるつもりだ。この4月に先行してデジタルシフト、オプトデジタルというDX支援企業を2社設立した。残された10年で次々と事業を作り上げていかなければならない。もう一度創業する覚悟で取り組む。

どのような企業のDX支援を手掛けていくのか。

 DXに成功した筆頭企業としてリクルートがある。しかも、2回も成功させている。紙メディアをネットメディアにシフトさせ、さらには自ら作り上げた事業モデルを壊しかねない米インディードを買収して新たな柱を作った。こうした動きを日本の大企業に求めるのは難しい。