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水曜日は副編集長の原隆が「起業家は語る」と題した連載とイベントを担当します。

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 筆者は記者生活を送るようになって20年という節目にいる。

 「失われた30年」という言葉があるように、記者生活の20年間は日本経済の低迷とともにあった。グローバル経済における日本の存在感が薄れ、国内を見れば少子高齢化、人口減少化、労働生産性低下など、内憂を挙げれば枚挙にいとまがない。

 だが、自身の仕事を振り返ってみると、不思議とネガティブな感情に包まれたり、さいなまれたりした記憶がない。理由は業界は違えど、常にベンチャーの取材をしてきたからという結論に行き着く。

 ベンチャーは個々で見れば日本経済全体に占める影響は小さい。それだけに、大企業を押しのけてまで、誌面に取り上げるのは至難のわざだ。

 記者として駆け出しのころ、東京めたりっく通信、イー・アクセス、アッカ・ネットワークスなどの通信ベンチャーが生まれた。こうしたベンチャーはADSLという低コストで高速な通信技術を世に広めようと躍起になっていた。だが、取材して提案しても、なかなか企画が通らない。結局、NTTグループが従来の方針を変更してADSLに参入を決めたとき、ようやくそれまでの取材の蓄積が日の目を見ることとなった。

 当時の先輩記者からの「ADSLを追いかけてみたら?」というアドバイスがなければ、ベンチャーとふれ合う機会は今も無かったかもしれない。だが、このときに起業家の持つ情熱に触れられ、そして実際に業界を作りあげた実行力を自身の目で間近に見られたのは、その後の記者人生に大きな影響を及ぼした。

 当然、20年も仕事をしていれば大小かまわず様々な壁にぶつかる。こうしたとき、「起業家ならばどう乗り越えるか」と考える癖が、いつの間にか身についた。もちろん起業家と自身では抱えているリスクは比べものにならないほど違う。だが、それでも取材を通じて耳に残っている起業家の言葉が、幾度となく自身の決断を助けてくれた。

 個人の働き方が多様化し、企業としても社員の働き方の見直しが迫られている今、起業家が紡ぐ言葉は起業を目指している人だけにとどまらず、多くの人にポジティブな影響をもたらすと信じている。

 組織の中で、どのように課題を見つけ、解決に向けて実行していくのか。起業家の持つ並々ならぬ情熱と実行力に直接触れられる機会、それが今回の「起業家は語る」だ。起業背景も異なる様々な起業家のマインドに直接触れることで、聴講者のみならず、自分自身も改めて働き方を考えるヒントを見つけるきっかけになればと考えている。

「起業家は語る」トークイベント

2/5 起業家マインドの強みを生かす(仮)
ゲスト:マネーフォワード社長CEO 辻庸介氏

2/12 自動運転社会で日本が発揮できる強み(仮)
ゲスト:ティアフォー取締役会長兼最高技術責任者(CTO)加藤真平氏

2/19 「D2C」ブランドで実現する「理念経営」
モデラート 市原明日香氏

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Raise LIVEのラインナップ

曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
連載名 多様化する稼ぎ方、達人が明かす秘訣 「幸せ」な働き方は 起業家は語る 何が組織を腐らせるのか 星野リゾートの方程式2020
イベントの主なゲスト ストリートアカデミー代表取締役社長
藤本崇氏 など
『働き方の哲学』著者、
キャリア・ポートレート
 コンサルティング
村山昇氏 など
マネーフォワード社長CEO
辻庸介氏 など
ワンキャリア取締役
北野唯我氏 など
武蔵野大准教授
宍戸拓人氏 など
担当者 島津 翔 定方 美緒 原 隆 大竹 剛 中沢康彦

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