2月25日のRaise LIVEには、楽天の創業メンバーで現在は「Chief Well-being(ウェルビーイング) Officer:以下CWO」を務める小林正忠氏を招いた。ウェルビーイングとは身体的、精神的に良好な状態であることを指す英語で、「幸福」と訳されることも多い。そのウェルビーイングを担当する日本では耳慣れない「CWO」とはどのような役割で、ウェルビーイングを実現するヒントはどこにあるのか? イベントの内容を報告する。

CWOの役割は何でしょうか?
小林正忠氏(以下、小林氏):社外の方から「どんなことをやっているのですか」と尋ねられたとき、「雑談です」と答えています(笑)。いろいろな人たちに話しかけ続けるということです。

楽天 チーフウェルビーイングオフィサー 常務執行役員
1997年の楽天の創業から参画。営業本部、マーケティング本部、国際事業などの立ち上げを行い、EC事業責任者を長年務めた後、米州社長、アジア社長を歴任。2017年秋より楽天の企業文化強化・社内外のステークホルダーを笑顔にすることをミッションとするChief People Officerに就任。19年夏からさらに働き方・生き方を模索するべくChief Well-being Officerに。慶応義塾大学SFC特別招聘教授(写真:ドリームムービー)
ミーティングルームに行くまでの間、エレベーターホール、カフェテリアなど、いろいろなところで社員に会って話をします。
またメッセンジャーで、例えば中途や新卒採用の研修で会った社員たちから「ちょっと話を聞いてもらえますか」といった依頼も来る。そうすると「じゃあ30分後に、カフェテリアで会おうか」などということもあります。業務に関すること、カルチャー、ビジネスアイデア、海外出身の社員から日本文化に関することまで、内容は幅広いですね。
私1人が頑張るより、雑談をしてその相手が元気になってくれれば、社会的にはよっぽど価値が高いと思っています。1人でできることはたかがしれています。
担当でいえば、3つの部署を受け持っています。
(1)社員の肉体的・精神的な健康を支える「ウェルネス部」。社内にあるカフェテリアでの食事提供やフィットネスジムなどを通じて「個人のウェルビーイング」をサポートしています。(2)会社と個人のエンゲージメントを高めていく「エンプロイー・エンゲージメント部」。「楽天主義」という楽天の根幹をなす価値観やフィロソフィーを通じ「組織のウェルビーイング」を高めています。(3)楽天が継続的に社会をエンパワーメントしていく集団となるべくリードする「サステナビリティ部」。ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の発信や社会的に役立つ活動などを進めていくことで「社会のウェルビーイング」を実現させます。
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