次に森さんに伺います。西村さんからは副業が2020年にはさらに進むと。社内外の副業を見ていて、実践者の一人としてどんなことを感じていますか?

森 新氏:僕からは1点だけ。まず、先ほどから話に出ている「解禁」という言葉がすごく嫌いなんです。副業の当事者からすると、「副業解禁」って「海外旅行解禁」と言われているように聞こえるんですよ。海外旅行を解禁するってすごく違和感があるじゃないですか。なんでかというと、「個人の時間」に対して会社が解禁を宣言するっておかしいじゃないですか。

 副業も全く一緒だと思っています。個人がしっかりとした管理のもとに、本業に支障がない範囲で副業をする。解禁なんていう言葉が残っていること自体、まだ成熟していない証しではないかと。最近は「人材に関するダイバーシティー」の議論が盛んですが、「時間のダイバーシティー」という観点で議論の出発点をそろえたいと思っているんです。

ここからは具体的にそれぞれのパラレルキャリアについて伺っていきます。森さんは副業をどうやって始めたんですか?

森氏:僕は「ショートカット・Outlook研究家」を名乗って副業をしています。飲料メーカーに勤めながら、夜間などの時間に副業をしているという状況です。

<span class="fontBold">森 新氏</span><br /> ショートカット・Outlook研究家<br /> (写真:ドリームムービー)
森 新氏
ショートカット・Outlook研究家
(写真:ドリームムービー)

 私はもともと人事部にいて、働き方改革を担当していました。その文脈で、社員に「どんな施策がほしいか」を聞いたところ「メールの効率化」をやってほしいという声が非常に多かったんですね。

 エクセルの講習ならその道のプロがいるし、ワードも同様にプロがいる。でも調べた結果、(メールのソフトウエアの1つである)アウトルックのプロって誰もいなかったんです。だから私が詳しくなって社員に効率化を教えようと。これがきっかけです。

 それで社内での使い方や社外の状況などを調査し、自分でアウトルックを勉強しました。詳しくなって社員に教えているうちに、社員から「社外でも絶対ニーズがあるよ」とアドバイスをもらいました。それでインターネットで募集をかけたら人が集まって……というのがこれまでの流れですね。

どうしてショートカットなんでしょうか?

森氏:「お金」の匂いがしたんですよね。言い方を変えれば「お客様」の匂いがした。アウトルックには非常に多くのユーザーがいて、ショートカットを覚えればかなり効率化できます。でも、プロがいないし書籍も全然なかった。きちんと体系化したものを提供できれば「当たるだろう」と。

スキルシェアのプラットフォームで人気講座になっただけでなく、出版もされていますね。書籍『アウトルック最速仕事術』はもうすぐ10万部だとか。

森氏:幼い頃から本を出したいという夢があって、企画書を出版社3社に持ち込んだんです。それで興味を持っていただけたという流れですね。

今は競合の書籍も多いと聞いています。

森氏:ほぼ同じ内容で4冊も出ています。

西村氏:森さんの副業が市場をつくってしまったということですね。

この記事は会員登録でコメントをご覧いただけます

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題