2019年に売れた世代別の「知見」とは?

売れた「知見」ランキング(全世代)
集計期間は2019年1月1日から12月25日まで。スポットコンサルティングサービス大手であるビザスクの協力を得て、全体ランキングと世代別ランキングを作成した。ランキングはビザスクでマッチングした回数順。世代別は、知見を提供した専門家の年齢で区分した。
順位 前年順位 売れた「知見」の分野
1 (10) 通信、IT
2 (3) マーケティング
2 (1) 自動車、自動運転、モビリティー
4 (7) 小売り
5 (4) 営業
6 (-) 建築・不動産
7 (2) 医療、介護、ヘルスケア
8 (-) グローバル
9 (-) データ
10 (-) 保険

 ビザスクは個人が持つ「知見」「経験」を主に企業向けに販売するCtoBサービス。ランキングは、ビザスクでマッチングした回数を基に作成した。つまり、どんな分野にスポットコンサルのニーズがあるかを示したものだ。2018年とは分野の区分けが異なるため、前年順位は参考値

 1位は「通信、IT」。前年の10位から一気にジャンプアップした。企業側のニーズ把握を担当するビザスク事業法人部でチームリーダーを務める横山沙織氏は「従来からニーズのあったIoT(モノのインターネット)に加えて、5Gに関する依頼が急増したことが1位になった理由だ」と話す。新しい分野だからこそ、経験年数を問わず全世代で上位にランクインした。

 ビザスクのようなスポットコンサルティングサービスは、「最新の技術について要約して教えてほしい」「業界の動向を教えてほしい」といった全体感をつかむための依頼が多い傾向がある。

 専門家に業界動向や技術動向をヒアリングし、自社にとってどんな影響があるか、どんなチャンスがあるかを確かめるためのもので、ビザスクでは、事業部門だけでなく、経営企画などからの依頼が多いという。5Gのような広い業界に影響を与える技術が人気を集めやすい傾向がある。

 どの分野でも、人気が出るのは技術や業界動向をサマライズし、俯瞰(ふかん)して語ってくれる人材だ。「所属会社での役職や立場は関係ない。むしろ、肩書がついてマネジメントしている人材よりも、現場の生の声を知っている層にニーズがある」と横山氏は言う。

 2位は「マーケティング」と「自動車、自動運転、モビリティー」。いずれも前年から人気の高いテーマだ。マーケティングの多くはデジタルマーケティングで、「サブスクリプション型の販売モデルを自社サービスにどのように導入すればいいか」「マーケティングオートメーションツールをどう使えばいいか」などの相談が多い。「どの業界にとってもデジタルマーケティングが必要になったことの証しだろう」(横山氏)

 「自動車、自動運転、モビリティー」は60代以上、50代で上位にランクインしたことから、高久氏のように業界歴の長い専門家が求められていることが分かる。完成車メーカーより、部品メーカーや素材メーカーからの依頼が多いという。普段から付き合いがあるがゆえに、会話しても自社の製品に対して本当のことを言っているかが分からないと考える部品・素材メーカーが多く、第三者の視点で自社の製品を見てくれる専門家を欲している。

売れた「知見」ランキング(60代以上)
順位 売れた「知見」の分野
1 自動車、自動運転、モビリティー
2 医療、介護、ヘルスケア
3 建築、不動産
4 グローバル
5 通信、IT
売れた「知見」ランキング(50代)
順位 売れた「知見」の分野
1 医療、介護、ヘルスケア
2 自動車、自動運転、モビリティー
3 小売り
4 通信、IT
5 建築、不動産
売れた「知見」ランキング(40代)
順位 売れた「知見」の分野
1 通信、IT
2 小売り
3 医療、介護、ヘルスケア
4 マーケティング
5 自動車、自動運転、モビリティー
売れた「知見」ランキング(30代)
順位 売れた「知見」の分野
1 通信、IT
2 医療、介護、ヘルスケア
3 建築、不動産
4 自動車、自動運転、モビリティー
5 営業
売れた「知見」ランキング(20代以下)
順位 売れた「知見」の分野
1 通信、IT
2 医療、介護、ヘルスケア
3 営業
4 マーケティング
5 自動車、自動運転、モビリティー

 「消費者の調査は自社でもできる。でも、クライアント企業が自社をどう見ているかは分からない。それまではコンサルティング会社を使って時間をかけて調査していたが、スポットで気軽に意見を聞けるようになった。その方のスキルというよりも、業界経験のある『個人としての』意見が知りたい」。ビザスクの利用経験がある企業担当者はこう語る。

 前回の「初公開 2019年に売れた『スキル』ランキング、上位の共通項は?」でみたようなスキルシェアサービスの場合、個人向けの講座が多く「業界の慣習」「技術の動向」といった「知見」には価値がつきにくく、他者との差別化が必要だった。

 「自分にはスキルがない」と感じていたとしても、スポットコンサルティングサービスでは、「あなたの経験」そのものに値段がつく可能性がある。

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