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この数年で上位のラインナップに変化があった

 教えた人数でみると、1位は、「インスタ映えする料理教室」などを開いている個人で、1年間で2700人にスキルを提供した。1日に7人以上に教え続けた計算になる。日経ビジネスが推計した年間売上高は約1300万円だ。肉や魚、野菜など講座によって食材を変えながら、様々な「絵になる」料理を提供しているという特徴がある。

 2位は前述の写真の「撮られ方」講座。日経ビジネスの推計では年間売上高は約2200万円と全体のトップだった。

 3位のボイストレーニング、4位の「伝わる話し方」もプロによるもの。年間で約2000人に教える人気講座で、いずれも主に少人数開催なのが特徴だ。

 ランキング10位までを見ていくと、ある共通点に気付く。その多くが、自分の見せ方や伝え方といった「セルフブランディング」に関わるスキルであるという点である。「インスタ映えする料理」や「写真の『撮られ方』」がその象徴だろう。

 ストアカの開設は2012年。もともとはスキルアップ系の講座が圧倒的に多かった。料理で言えば、「魚のさばき方」などの実用的なスキルが多く、写真であれば「撮られ方」ではなく「撮り方」がスタンダードな講座だった。

 変化があったのはこの数年だという。

 ストアカを統括する遠田望執行役員はこう言う。「SNSの影響が大きい。加えて、婚活サービスやビジネスマッチングサービスなどのウェブサービスが増え、写真を露出させる機会が以前より多くなっている。自分を発信しなければならないので、セルフプロデュースに対するニーズがぐっと増えたという印象がある。講座数で言うと、スキルアップ系、趣味・ライフスタイル系、自分磨き系の3つがぞれぞれ3分の1ずつを占めている」

 一般論として、ストアカのようなスキルシェアサービスでは、「特化型」の講座に人気が集まりやすいという傾向がある。それには次のような背景があるからだ。

 まず、リカレント教育の重要性が叫ばれる中で、「何かを学び直したい」と考える社会人が増えた。ただ、体系的に学ぶ場合には、教育機関やウェブ講座を中期的に受講する人が多い。そうした画一的な講座を受けた後だったり、そもそも受けたい講座がなかったりする際に、スキルシェアサービスで検索するユーザーが多く、受けたい内容や教えてほしいスキルがピンポイントに決まっている場合がほとんどだ。

 例えば「メールの使い方」という漠としたテーマよりも、「業務を効率化するためのアウトルック・ショートカット仕事術」とった絞り込まれたテーマや、多人数が同時に受ける講座では難しい、個人の個別の悩みに焦点を当てたテーマに人気が出やすい。

 以上を踏まえると、今なら、「セルフブランディング」かつ「具体的なスキル」に人気が集まりやすいということだろう。スキルで稼ぐにはこうした分野を狙うのが一つの手だ。

 連載に関連する2月3日のトークイベントでは、ストリートアカデミーの藤本崇社長に、このランキングや他のデータを参照しながら「売れるスキル」の見つけ方、見極め方を聞く。