料金を上乗せしなければ快適な電車通勤ができないのはおかしいとの批判もあるようです。

細川氏:根本に返れば、追加料金を払わなくても快適に乗車できて、通勤なり通学なりをさせるようにすることが鉄道事業者のミッションだと思います。

 もちろん、首都圏に人口が一極集中している状況を考えれば、どの時間帯も利用者全員が座れるサービスというのは相当ハードルが高い。でも、追加料金を支払えば乗れる車両を運行させるなら、通常の車両を増やすべきだという意見は当然出てきます。SNSを見ても、批判的なコメントは少なくありません。

 忘れてはいけないのは、こうしたサービスに人気が出るということは、通常のサービスが劣悪であることの裏返しです。市場で取引される通常の商品であれば、劣悪なら他の企業の商品に需要が移ってしまいますが、鉄道ではそうもいかず、同じ会社の割高なサービスに人が流れる。だから利用者の「仕方ない」という気持ちの上に成り立っているわけです。「仕方ない消費」とでも言えばいいんでしょうか。

鉄道会社は今後、どうしていけばいいのでしょうか。

 もちろん通常車両の増発など抜本的な快適性向上にも向き合わないといけませんが、着席保証サービスをしながらでも、全体の混雑率低下に向けてできることはあるのではないかと感じています。

 例えば、多くの着席保証サービスのある車両では、追加料金を支払わない利用者の立ちっぱなしの乗車も認めていませんが、輸送力を考えるともったいないのではないでしょうか。上乗せ料金はあくまで「着席保証」の料金。空いているスペースを利用してもらうことで、前後の列車の混雑率を多少は改善できるのではないかと思います。

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