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「ワーケーション」、あなたはできる?(写真:PIXTA)

 新型コロナウイルスの影響が長期化し、低迷が続く観光需要。7月22日から東京都を除外する形で、国内旅行の支援事業「Go To トラベル」が始まったが、感染者数が再び増加する中での実施に不安の声も多い。

 そうした中で、政府が意欲を示しているのが、観光地やリゾート地など休暇先で働く「ワーケーション」の普及だ。「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地など休暇先で仕事を行う働き方。これまでも有給休暇の取得促進などを目的に企業が取り入れる事例はあった。

 菅義偉官房長官は7月29日の記者会見で「わが国にとって観光は地方創生の切り札で、地域の発展にも大きな影響を与える。インバウンドが極めて難しい状況で、まずは国内観光を楽しんでもらう環境をつくっていくことが重要だ」と述べ、ワーケーションなどについても「新しい旅行や働き方のスタイルとして政府としても普及に取り組んでいきたい」とした。

 確かに仕事と休暇を組み合わせたワーケーションが浸透すれば、観光地などを訪れる需要の創出に寄与する可能性はある。では導入する企業や働き手にはどのようなメリットがあるのか。

 NTTデータ経営研究所とJTB、日本航空などは6月に沖縄県でワーケーションの実証実験を実施した。6月26日(金)~28日(日)に各社の社員ら計18人が沖縄県名護市のリゾート施設に宿泊。26日を勤務日、土日の27、28日を休暇日として、勤務時間中はWi-Fi環境が整えられた共用の執務エリアなどで業務を行い、そのほかの時間は自由時間として、仕事のパフォーマンスなどを実験の前後と比較した。

 それによると、ワーケーションによって、

  • 仕事とプライベートの切り分けが促進された
  • 情動的な組織への所属意識が向上した
  • 仕事のパフォーマンスが20%程度向上し、終了後も持続した
  • 心身のストレス反応が参加前よりも37%程度低減した

 などの結果が得られたという。NTTデータ経営研究所の担当者は「ワーケーションによって公私の分離が促され、心身にポジティブな効果を与えた」と分析する。

 とはいえ、ワーケーションが一般に浸透していない中で、新しい働き方への懸念は小さくない。その1つが在宅勤務など他のリモートワークと同様に、実労働時間をどのように会社が把握して管理するのかということだ。リモートワークでは、仕事とプライベートの線引きが難しく、長時間勤務になりやすいとも言われている。

 また、旅費などの負担増加、施設側によるWi-Fiなどの環境整備といったコスト面でのハードルもある。そもそも、労働者はそうした働き方を望んでいるのかという疑問も残る。

 菅官房長官は会見で「ホテルなどで仕事ができるようにWi-Fiの整備などを支援する。休暇の分散や取得促進をはじめとする環境整備を進めていく」と言及。果たして新たな働き方として定着するか。


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