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(写真:PIXTA)

 新型コロナウイルスの感染拡大を背景に各業種で広がった在宅勤務。急激な働き方の変化とともに、これまでの出社して働いた時間を前提とした日本型の雇用制度から脱却する動きも見え始めている。在宅勤務の広がりで勤務状態の把握が課題となる中、職務内容を明確にした上で最適な人材を充てる「ジョブ型」の導入が加速しつつあるのだ。

 ジョブ型とは、そのポストに必要な能力を記載した「職務定義書」(ジョブディスクリプション)を示して、労働時間ではなく成果で評価を行うもの。日本で浸透してきた終身雇用を前提に社員がさまざまなポストに就く「メンバーシップ型」とは大きく異なる。国際的な競争力低下への危機感などから、コロナウイルスの感染拡大前から導入に向けた議論が行われてはいた。

 動きは日本を代表する企業から始まっている。既報「『半分在宅』が日立の新常態、コロナを奇貨にジョブ型加速」の通り、日立製作所はジョブ型の人材管理への転換を加速する方針を示した。グループでは世界30万人の社員のうち、国内を含む管理職5万人はすでにジョブ型の雇用形態となっているが、国内の一般社員にも対象を広げるのだ。

 背景にあるのはコロナ後の働き方の「ニューノーマル」(新常態)構築。日立製作所は2021年4月以降、在宅勤務ができる職種の社員が週2~3日は在宅勤務する状態を目指している。

 他の大手企業にも同様の動きがある。オフィス出社の人数を5割にするという在宅勤務の継続を決定している資生堂も21年1月からオフィス勤務の一般社員を対象にジョブ型雇用へと移行する。富士通も国内の課長級以上をジョブ型雇用の対象にするという。 

 一方で、日本労働組合総連合会(連合)の神津里季生会長は日経ビジネスのインタビューで、ジョブ型の導入自体には一定の理解を示したものの、一律の導入については疑問を投げかける。
(関連記事:連合・神津会長「コロナ禍でも賃上げを。『全てジョブ型』は疑問」

 コロナ禍を機に加速を始めた日本型雇用からの転換。急速に広がった在宅勤務は定着していくとの声も強い中、大手企業の決断はさらなる広がりを見せていくか。

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