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9月入学問題、賛否は拮抗(写真:PIXTA)

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校措置の長期化を契機に浮上している「9月入学」への移行。日経ビジネスでは4月30日から、読者参加型の議論の場「Raise」で9月入学の賛否について意見を募集している。

 (関連記事:[議論]新型コロナ長期化で「9月入学」へ移行に賛成/反対?

 9月入学・新学期制度への移行について、(1)賛成、(2)反対、(3)分からない、のいずれかを選んでもらった。5月24日中までに(1)~(3)の数字を選択、または明確に賛成、もしくは反対を表明するコメントを集計したところ、(1)賛成が約47%、(2)反対が約43%、(3)どちらでもないが約9%で、賛成と反対が拮抗する結果となった。

 ただ、「賛成」と回答した人の中にも「議論が性急すぎる」として、来年度から導入すべきだという意見が多かった。今年度は4月入学はそのまま残し、来年8月までとすべきだという声が多いようだ。

 5月20日には日本高等学校野球連盟が「夏の甲子園」と言われる全国高等学校野球選手権大会の中止を決定。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)も中止が決まるなど、学生生活における様々なイベントが中止に追い込まれている。賛成意見の中には、「児童生徒の学校での失われた学びや青春を補償したい」という声や「地域や通っている学校により教育環境(オンライン授業の有無等)にどんどん差が出てきている」といった教育格差の是正に向けた賛成意見も寄せられた。

 ほかにも「10年後、20年後を考えて、世界の国々との連携を強めることで、さらに日本が成長していける」として、教育改革が日本の成長力にもつながるという意見もあった。

 ただ、9月入学への移行は学校単体だけの話ではなく、様々な分野に与える影響は大きく、「21年4月復職予定の保護者は育児休業延長を余儀なくされる」などの反対意見も寄せられた。「コロナ影響による学習の遅れと9月入学は別物」という声や、「9月入学にすることは国民投票に値する」という意見もあり、拙速な議論での9月入学への移行は混乱を招いてデメリットが多いとの指摘だ。

 日本教育学会は5月22日、来年から9月入学に移行し、通常の1.4倍の新小学1年生が入学する形で実施した場合、国や家庭の負担総額が6兆9000億円超に達するとの試算を公表。メリットとされる「グローバル化の促進」にも小さな効果しか望めないと指摘した。

 読者コメントの中にも「海外に飛び出す気概のある学生は既に飛び出ており、9月入学でどれだけ増えるか分からない」と効果を疑問視する声があった。

 一方で、反対派の中にも「(9月入学よりも)むしろデジタル化」「一人ひとりにあったタイミングとやり方で学習できるように本質的に変化するチャンス」など、今の日本の教育が多くの課題を抱えている点については、賛成・反対の立場を超えて多くの読者が共通認識しているようだ。

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>>[議論]新型コロナ長期化で「9月入学」へ移行に賛成/反対?

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