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一律支給の10万円、どう使う?(写真:PIXTA)

 一部の自治体で支給が始まった一律10万円の特別定額給付金。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策の柱の1つで、対象者は4月27日時点で住民基本台帳に記録されている全員だ。「コロナ禍で苦しむ家計の足しに」というのがそもそもの給付の意図で、事業費総額は国家予算の1割強に値する12兆8802億円(内事務費が1458億円)。どれくらいが実際に使われるのだろうか。

 「給与は減っているわけではないのですぐに使う理由はない」。都内に住む大手メーカー勤務の男性はそう語る。支給額は家族4人分で40万円。今夏のボーナスが減額になるとみられることもあり、給付金は貯金に回す予定だという。

 一方、定額の給与が入らないフリーランスには、貯金を切り崩して暮らす人もいる。都内でフィットネスインストラクターを務める女性は「4月の給与は前月の3分の1で5月以降も真っ暗」と話す。フィットネスジムが休館となり、週20本あったレッスンの収入がゼロとなっているためだ。

 4月30日成立の補正予算案で支給が決まった特別定額給付金。全国1741市区町村は5月1日から申請の受け付けを始めた。受付方法はオンラインと郵送の2種類で、申請の入り口は自治体のホームページなど。例えば、東京都世田谷区だとホームページに「特別定額給付金について」というコーナーがあり、5月28日から郵送による申請書を各家庭に送付すると記されている。

 当初はマイナンバーにひも付いたオンライン申請の手続きの方が早いともみられたが、そうでもないらしい。申請の際にミスが多発しており、高松市は19日、オンライン受付の中止を発表した。世田谷区でも、オンラインは確認に時間を要するケースが多いとして郵送申請を推奨している。(参照:[議論]新型コロナ対策を機にマイナンバーカードを申請しますか?

 申請した給付金は世帯主の銀行口座に振り込まれる仕組みだが、DV(家庭内暴力)を受けているなどの理由があれば、自治体に「申出書」を提出した上で、別口座で受け取ることもできる。ただ、その際は婦人相談所が発行する「証明書」か、市区町村などの「確認書」の添付が必要で、全国の配偶者暴力相談支援センターには問い合わせが殺到しているという。

 勤め人世帯の3分の2が共働きという現状からすれば、今後は「世帯主」という概念にも議論の余地がありそうだ。

 給付金を巡っては当初からドタバタがあった。当初、政府は新型コロナの感染拡大によって収入が大きく減少した世帯に対し30万円支給することを閣議決定したが、手続きの煩雑さへの懸念や、公平性を求める公明党などの反対に遭い10万円の一律支給に方針転換した。日経ビジネスの「両論激論」では支給に61%が賛成、24%が反対だった(参照:[議論]総額12兆円、新型コロナ「一律10万円」に賛成/反対?)。

 曲折を経て、いよいよ支給の段階になったわけだが、政府が期待するのは、生活が苦しくなっている人の助けになるとともに、臨時的な消費となって世の中に還元されることだ。ただ、冒頭の男性のように目下の生活に困っているわけではない、という人もいる。もちろん、受け取りたくない人は、辞退することもできる。はたして、実際にどれくらい使われるのだろうか。


議論のテーマ

 国民のほぼ全員が受け取れる10万円の「副収入」。使いますか、それとも、ためますか。皆さんのご意見をお寄せください。

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