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営業休止が長引けば経済への打撃はより深刻に。一方、再開を急げば感染を再び広げるリスクもある(写真:アフロ)

 長引くコロナ禍で営業を自粛していた店舗が、再開する動きが出てきた。全国的に新規の感染者数が減少傾向にあり、九州や中国、四国地方では5月11日に発表された新規感染者はゼロ。緊急事態宣言は全国一律で発令中だが、政府は「特定警戒都道府県」以外の34県について一括して宣言を解除する方向で調整に入った。

 経済活動の再開に向けて、企業も動き出している。ファーストリテイリングは11日、グローバル旗艦店と位置付ける「ユニクロ 銀座店」(東京・中央)を含む14店の営業を再開。感染者数世界トップの米国でも、比較的感染者が少ないコロラド州の店舗などで営業を再開した。

 欧米を中心にコロナ禍の「出口戦略」を打ち出し、店舗の営業停止や外出禁止といった規制を緩める動きが出始めている。イタリアでは厳格だった規制が5月初旬から徐々に解除されつつあり、製造業や建設業などの経済活動を再開した。フランスや英国も緩和する方針を示している。

 日本では大阪府の吉村洋文知事が休業要請などの解除基準を独自に定めた「大阪モデル」を発表。経路不明な感染者が10人未満で、陽性率は7%未満、そして重症病床使用率が60%未満という3つの指標が7日連続で基準を下回ることを解除の条件とした。

 新規の陽性患者が減少傾向にあるものの、依然として感染のリスクは残る。規制を解除すれば、感染爆発の「第2波」が到来する可能性もある。事実、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めたかに見えた韓国では、ナイトクラブで集団感染が発覚。5月中旬から順次再開する予定だった学校の登校について、韓国の教育省が「1週間の延期」を決断するなど対応に追われている。

 加藤勝信厚生労働相は11日の衆議院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症のクラスターが全国に「5月10日現在で250件あるのでは」と述べた。内訳は医療機関が最も多く85件、福祉施設が57件、飲食店が23件とした。

 クラスターの多くが医療や福祉施設であるものの、飲食店でも複数のクラスターが発生している点を明らかにした。

 営業休止が長引けばその分だけ経済への打撃が大きくなり、雇用の維持も難しくなる。一方、営業再開によって再び感染を広げるリスクもある。海外に比べてPCR検査の件数が少なく、新型コロナウイルスの抗体検査の体制も整っていない日本では、「潜在患者」を把握しきれておらず、規制の解除が新たな感染爆発を生む危険性も指摘されている。


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