サービスロボットの需要は産業用ロボットの10倍ある

今、日本はAIやロボットの力で業界に横串を刺し、新たなビジネスを生み出す新規性が求められています。マッスルは、工業製品からエンタメまで、一見関係ないような非常に幅広い事業に挑戦しています。新たな事業を開拓する力はどこから生まれるのでしょうか。

玉井氏:自分の中では1本筋が通っています。それは、「モーションコントロール」です。海外では産業分野として一般的です。産業機器なら正確性と速さ、有名テーマパークのキャラクターのようなエンタメなら、しなやかさや奥ゆかしさ、愛らしさ。別々のように見えますが、全てテクノロジーで実現できます。

 今関心があるのは、ファッションです。9月に米ニューヨークで開催された「ファッション テック ウイーク」でキーノートスピーカーとして招かれました。ファッションの世界で最先端をいきたい人は、3Dプリンターなどテクノロジーを活用しようとしています。

米ニューヨークの「ファッション テック ウィーク」に出展した「動く蝶の羽根」

 僕は国際ロボット展に動くマネキンを展示していた関係で、招かれました。1週間で「動く蝶の羽根」を作り、モデルに背負ってもらいました。パタパタと単調に動くのではつまらないので、蝶のように休んだり動いたり、取り混ぜました。すごく喜んでくれましたね。センサーは勉強中ですが、暑いときに広がり、寒いときに縮まるようなファンクションのある衣類ができたら面白いなあと思います。

今、電機大手は「選択と集中」を進めて、得意分野に特化しようとしています。全く畑違いの分野に出て行くと、きりがないと感じることはありませんか。

玉井氏:サービスロボットは産業用ロボットの10倍の需要があると考えています。世界で見ても、掃除のルンバと、手術のダヴィンチの両横綱しかまだ出ていません。人の生活で何をロボット化したら喜ばれるのか。お料理、洗濯などでしょうか。

 食べ物や趣味など、いろんな要素を織り交ぜて生活ができる。様々な分野を知らないと良いサービスロボットはできないと思っています。だからわざと関係なさそうなところを攻めているわけです。

 いろんな業界がまたがったところに潜在的な需要があり、うまく突いたら新たな事業になるんじゃないかと考えています。技術者にこそ言いたいのは、「机の上だけで仕事していたらいかん。外に出ろ」ということです。

 SASUKEの開発の際、数十カ所の介護施設にヒアリングに回りました。技術屋の中で僕は一番現場主義だと思っています。そこは自慢できます。たまたま現場に知り合いがいても1人に話を聞いては偏ってしまいます。大学で介護を研究している人に、ぶっちゃけた本音を聞けるかと言えばそうではない。知らない現場へ、勇気を持って訪ねることです。日本の技術者はこれができない。

 マッスルは零細ではありませんが、小企業です。中規模にも至っていない。かつてのように大企業から下りてくる仕事をしていて、生き残れる時代ではありません。中小企業も自分の足で立つ。これも勇気です。

 玉井さんは、ベンチャー企業がもっと輝き、日本のモノづくりが復権するためには、経営者の勇気と、それをサポートする周囲の目利きが大切だと主張します。そこで、皆さんにお聞きします。

 ベンチャー企業を育成するには何が必要だと思いますか?

 玉井さんの主張を踏まえ、皆さんのご意見をお寄せください。

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