開発には特にどういう視点が大切でしょうか。

小林氏:何人かの新製品開発の担当者に「専門だからしっかり考えよう」では結果的に部分的な広がりしかありません。小林製薬では3000人以上いる全社員が考えています。提案制度を30年ほど前から行っており、社員は「あったらいいな」をいつも考え、年3万5000件ほど新製品のアイデアが出てきます。日常生活のなかで考えるとどこかにひっかかりが出てくるし、開発途上にある商品ももっといいものを作ろうという流れになります。

 提案制度からどれだけ商品化されたかといえば、それほど多くはありません。それでも社員全員がアイデアを提出するならば、社員はその過程で考えているわけです。こうした努力をして生まれるのは少しだけの差かもしれないですが、これが大切なのです。全社員が同じ方向を向き、新商品開発なら負けないという意識を持つようになります。それぞれの職場で努力して満足できる商品に作り上げる仕組みができています。

すぐれた商品をつくるうえで、社員にどんな話をしていますか。

小林氏:いいことに対しては「素晴らしい」「よくやった」と伝えます。そうでないもの対しては「まあこれでいい」ということはありません。むしろ「絶対に妥協するな」と伝えています。100点満点以上を求めていかないといい商品はできません。

 商品として発売するかどうかは、最終的に1点ずつ社長が判断しています。毎月2日間をそのためにあてています。1日あたり8時間ほど、月20時間ほどをそのためにあてています。

商品開発のアイデアがなかなか出ないといったこともあるのでしょうか。

小林氏:音楽の場合、ドレミファソラシドでできているからといって、「もう新しい歌は出てこない」ということはありません。今でも新しくてユニークな歌が出てきています。

 7つの音階だけであれだけ違った音楽ができるのです。私たちの取り組む世界は広いのですから、もっといろいろな可能性あるといつも思っています。

 小林さんは、商品を世界で売るためにも「まず日本で売れる商品を作るべきだ」と主張します。ニッチな市場や大市場でも一部で「囲い」を設け、その中で商品を改良しながら競争力を高めていくことが高いシェアを獲得し、ロングセラー商品を生み出すための秘訣だといいます。

 そこで、皆さんにもお聞きします。

 どうすればロングセラー商品を生み出せると思いますか。

 画一的な商品があふれ、価格競争に陥りがちなのはどの業界も同じ。そんななか、どのように商品を生み、認知してもらえれば寿命の長い商品に育つのか。皆さんのご意見をお寄せください。

(注:記事全文の閲覧、コメントの投稿は有料会員限定です)

この記事は会員登録でコメントをご覧いただけます

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題