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国民皆保険をガラス張りに

手代木氏:本当に国民皆保険を今の仕組みのまま維持しようとしたら、消費税は20%まで引き上げざるを得ないというデータもあります。サービスを今のままで維持するなら、国民の負担はこれだけ増えるのです。今、消費税10%への引き上げで騒がれていますが、本当は20%いるんですよという現実を前に、さらなる引き上げの議論に国民は耐えられるでしょうか。今の状況を見ているとなかなか難しいですよね。

 そうすると、やはり原点に戻って、世の中が非常に当たり前のこととして享受している国民皆保険制度の「正体」と言いますか、こういう負担とこういう給付に基づいて成り立っているんですよ、ということをガラス張りにするところから始めなくてはいけません。

 そこから、自己負担を増やすのか、給付を減らすのかといった議論ができるのです。「私はもうちょっと負担を受け入れます」と考えるのか、「私はもうちょっと給付は少なくてもいい」と考えるのか、もしくは「薬代の自己負担を7割まで増やしてもいい」と考えるのか、そうした議論は起こり得ると思います。これから何をすればいいのかを考えるために、まずは国民全体で現状の把握を進めることが必要です。

 現状では、同じ病気で別の先生に2回かかる重複受診をしても、誰にも止められない仕組みです。それは本来おかしいでしょう。同じ病気で2回、3回とそれぞれ別の医療機関を受診すれば、必要以上に薬も処方されてしまいます。こういった、国全体として見ると「医療の非効率」というのが起こっているのです。

 もちろん患者さんからすると、1人目の先生と相性が良くなかったから、重複受診をしたのかもしれません。ただ、支払っているお金と享受しているベネフィットを総合的に判断すれば、重複受診は控えていただく必要があると思います。

 お薬手帳などによってある程度見えるようになりつつありますが、もっと自動的に一元管理できる仕組みにすべきです。今はお薬手帳を薬局に持っていくことは患者さんの任意ですが、本来の目的を考えれば毎回持参する形にしてもよいかもしれません。

 もちろん、こうした強制に反対する声はあります。しかし、残念ながらお金の議論に戻らないといけなくて、国民総医療費を青天井に増やし続けるわけにはいきません。今まではそこをだましだまし、薬代をカットしながら、材料代もカットしながら、病院の先生方に相当の負担を強いながらやってきたわけです。

 そういった部分を、「医療の闇」と言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんが、何とか限界ギリギリのところで医療が成り立っているんですよということを世の中にもっと伝えなければいけません。

手代木さんは、国民皆保険は今のままでは限界がくると警鐘を鳴らします。そのためにも、まずは保険制度の実態をデータでつまびらかにし、今すぐにも、今後の制度設計をどうするか、議論を始めるべきだと主張します。そこで皆さんにお聞きします。

皆さんは、国民皆保険を維持するために、負担額を増やすことに賛成ですか

手代木さんの主張を踏まえ、皆さんのご意見をお聞かせください。

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