会社の最終目的は「株主に報いること」ではない

この政策ミスが、企業経営よりもインパクトが大きかったということですか。

宮内氏:これだけ大きな政策ミスが繰り返されると、企業なんていうのは大海の中の小舟みたいなものです。スピードを上げて快速で走るなんてできやしない。波を避けるのが精いっぱい。結局、企業経営はイノベーションや成長よりコストカット中心になり、きゅうきゅうとして過ごすことになりました。

 だから、平成の頃にサラリーマンだった者は、「会社ってこんなもんだ」と思うようになったと思います。成長しないし、給料なんて上がらない。リストラの対象にならないように頑張ろうという、保守的な発想にならざるを得なかった。そして、成長よりコストカットの上手な人が経営者になっていったんです。

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