
日経ビジネス8月19日号特集「『ブラック国家』ニッポン 外国人材に見放されない条件」では、さまざまな現場で外国人がいなくては回らなくなっている現状と、国や企業が外国人材を受け入れるために必要な条件を探りました。
今回の「目覚めるニッポン」では、外国人労働者の受け入れをテーマにします。人口減少に歯止めがかからない状況で、働き手としての外国人に期待が高まる一方で、雇用が奪われかねないとの懸念や共生の難しさ、社内でのコミュニケーションの難しさといった不安があるのも現実です。
そこで今回は「外国人材、このまま受け入れ拡大すべき?』」と題し、皆さんの意見を募集します。外国人受け入れの是非のみならず、その前提となる雇用のあり方や働き方の課題についても幅広いご意見をいただければと考えています。
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まず現状を見てみよう。総務省が発表した2019年1月1日時点の人口動態調査で、日本人は前年より43万3239人少ない1億2477万6364人となった。10年連続の減少だ。一方で外国人は16万9543人増え過去最多の266万7199人。全体の2%を初めて超えた。外国人労働者はどうか。18年に既に146万人が国内で働いており、日本総合研究所の推計では30年には最大390万人に増える見込みだ。
日本で働く外国人の在留資格は複雑だ。下のイラストのように、ITエンジニアや研究者などを想定した「高度専門職」から、主に留学生などが週28時間を上限にアルバイトとして働く「資格外活動」まで多岐にわたる。未熟練の単純労働ではこれまで主に新興国からの「技能実習生」が担っていたが、4月に介護や建設、外食など14業種向けに「特定技能」が新設された。
企業の受け入れ状況はどうか。日本総研が国内約1000社を対象にしたアンケート調査によると、外国人を採用・活用している企業は約45%。その理由は「日本人労働者が集まらない」が最多だが、「組織を活性化したい」「外国人の方が真面目に働く」など積極的な姿勢も目立つ。
ただ企業にとっては課題も多い。同アンケートでは、外国人労働者の活用上の課題として、「コミュニケーションに苦労する」「せっかく育成した人材が一定期間しか雇えない」などが挙がった。
日本全体で見ても、必ずしも受け入れ体制が整っているとはいえない。過酷な労働環境や賃金未払い、失踪などの問題が後を絶たない技能実習生制度がその象徴といえるだろう。特集では、日本では企業が外国人を「雇用の調整弁」と見なす傾向が強く、このままでは「ブラック国家」の烙印を押されかねないと指摘している。
既に日本の悪い評判は伝わっており、海外では「働く場」としての日本は人気がないのが現実だ。
上記で見たように、さまざまな課題を抱える日本と日本企業の外国人材の受け入れ。一方で「 A・ロスリング『人口減少を“ファクトフルネス”の契機に』」でも議論したように、人口減少に直面した日本は何らかの行動を起こさなければならないことも確かです。では、
このまま外国人労働者の受け入れを拡大すべきなのか?
受け入れ拡大への賛否のほか、その理由、外国人材に選ばれる・活躍してもらうための条件など、幅広い意見をコメント欄にお寄せください。
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