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 三菱ケミカルホールディングス会長の小林喜光氏と、ミスミグループ本社シニアチェアマンの三枝匡氏の対談では、平成の30年を「惨敗だった」と総括しています(日経ビジネス2019年7月29日号)。名目GDP(国内総生産)や企業の時価総額などのデータを国際比較し、日本経済や日本企業の実力が、米国や中国などと比べて大きく見劣りしているというのが、その根拠です。

 そこで日経ビジネス電子版の議論の場「Raise(レイズ)」では、日本が停滞から抜け出すために打つべき一手を考えるシリーズ「目覚めるニッポン」をスタートします。経営者や識者からの提言を題材に、読者の皆さんからご意見を募ります。

 まずは議論の出発点として、「平成の30年、日本はグローバル競争で『負けた』のか」について、皆さんのご意見を募集します(コメントの投稿は有料会員限定です)。

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 まず、この2人のやり取りをご覧いただきたい。三菱ケミカルホールディングス会長の小林喜光氏と、ミスミグループ本社シニアチェアマンの三枝匡氏の対談の冒頭だ。

小林喜光(こばやし・よしみつ)
三菱ケミカルホールディングス会長
(写真:的野弘路)

小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス会長)この30年、日本の名目GDP(国内総生産)は500兆円前後を行き来し、ほぼ成長はフラットな状態だったと言えます。かたや米国はほぼ2倍になりました。企業の時価総額を見ても1989年時点では、世界のトップ10社のうち日本企業が7社を占めていましたが、今ではゼロになりました。

 厳然たる事実なはずなのに、世界から取り残されている現実に多くの日本人が気づいていない。僕はそれが一番危機だと思っています。外から見るとこんなにも立ち遅れているのに相対比較をしない。まさに、狭い世界のなかでのぼせ上がった「ゆでガエル」ですね。昨年の内閣府の世論調査では国民の75%、若者の83%が「現状に満足している」と回答している。ぬくぬくと生きている場合ではないでしょう。

三枝匡(さえぐさ・ただし)
ミスミグループ本社シニアチェアマン
(写真:的野弘路)

三枝匡氏(ミスミグループ本社シニアチェアマン)同感です。外と比較して「自分たちが負けている」という見方が日本にはありません。社員が危機感を持たずに「会社の中の論理」で動き、自分たちはまだ大丈夫、うまくいっていると思っているフシがありますね。

 より深刻なのは、バブル経済が崩壊してから27年、企業も社員も「金を使うな」「投資をするな」と頭をたたかれ続けたことです。「チャレンジするな」という命令とほぼ同じ意味ですよね。挑戦しない境遇が長く続くと人材は腐ってきます。それでも国内はみなよく似た状況だから、腐っていく自覚すらない。国が滅びるということは簡単には起きませんが、様々な制約から、国や企業がいずれ立ち行かなくなる危険性は十分にあると思っています。