新しい世界を作ろうとしている人たち

 けれど、過去に戻るのは全く意味を成しません。世界はじわじわと進化を遂げ、前進しています。そして新しい世界を生み出すために、たくさんの人が活動を始めている。今、私たちがまさに立っている床はがたついています。けれど、その下で、一生懸命、別の床を作ろうとしている人がいる。

 きっと今、私の話を聞いている皆さんの中にも、そういった人がいらっしゃるはずです。新しい世界を作り出そうとしている人です。

 物事は、どこに焦点を当てるかによって様変わりします。壊滅的に思うのか、希望があるように見えるのか。この先も、世界は進化すると皆さんが信じているなら、自分に問いかけてみましょう。

ストーリーテラー、助産師、ホスピス

 私が一番役立つのはどんな仕事なのだろう、と。私は、この世界の新しい役割として、次の3つを提案しています。

 1つ目は私のような「ストーリーテラー」です。今、世界中で何が起こっているのかを語る人を指します。2つ目は、まさに今、新しい世界を生み出そうとしている人。言ってみればそれは「助産師」のような存在と言えます。そして3つ目が、死にゆく古いシステムが安らかに命を全うできるような「ホスピス」の役割です。

 この3つの役割はどれも非常に重要です。例えば、皆さんが教師だったとします。ある教師は、変わりつつある世界を理解し、私と同じようにストーリーテラーのような役割を果たすかもしれません。「今、教育の世界ではこういうことが起きているんですよ」と伝える仕事もあるでしょう。

 もしくは助産師のように、新しいタイプの学校を作り出す挑戦だってできるはずです。

 そしてホスピスの役割を担う教師だっているはずです。新しいシステムはまだ完全には出来上がっていません。古いシステムの中で学ぶ大学生だってまだ、たくさんいる。現職にとどまって学生をしっかり面倒を見ること。ただ学生たちが新しい世界に視点を向けられるよう、導いてあげること。それだって、重要な仕事でしょう。

 もし、新しい世界の出現が、私たちにとってワクワクするものだとすると、その中であなたが担う役割は何でしょう。ストーリーを語る人なのか、そんな世界が実際に生まれることを手伝う人なのか。はたまた、今ある世界を安らかに死なせられるホスピスなのか。

 もしかしたら、まだその役割は分からないかもしれません。けれど、それでいいんです。私は今回、現代の混乱に少しでも光を差し込みたいと思いました。素晴らしい機会を頂きました、ありがとうございました。

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