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理想の組織運営のカギは「諦めない」

チームにはリーダーとしてユニットディレクターがいるというお話がありました。フラットでのディレクターというのはどのような役割でしょうか。

井手氏:偉いというわけではなく、リーダーの役割です。例えば、より知識があるのでみんなをうまくまとめていったり、人望があってみんなのモチベーションを高めたり。スキルが足りない人のサポートもします。またチームの残業申請や経費申請は誰かが担わないといけないので、役割として責任者を置いているということです。

 ディレクターを選ぶ方法に立候補制度があります。年に1度、立候補者は全社員の前で事業プレゼンをし、それを聞いた社員がアンケートを書いて推薦し、僕が意見を集約してオッケーを出します。正社員は90人ぐらいいますが、今年の立候補者は二十数人。年功序列は関係ありません。基本、現職のリーダーは立候補しないので、3~4人に1人ぐらいは立候補しているのです。

フラットな組織は優秀な人たちだからこそ成り立つのではという疑問もあります。採用はどのような観点で行っているのでしょうか。また、フラットな組織が成り立つのか、失敗するのか、分ける要因はどこにあると思いますか。

井手氏:僕はこの形態は優秀ということは必須でないと思っています。やっていることに共感して、自律していれば成り立つと思います。

 ただし、我々が掲げる「日本のビール文化を変える」ということをやろうとすると、やっぱりある程度レベルが高くないと無理です。採用での優秀というのは、社員の評価軸と全く同じです。9項目の評価項目がありますが、例えば達成指向性、チーム行動、顧客志向などです。5段階評価になっていて、顧客志向の場合、真ん中のCであれば自分なりにお客さんのことを思ってお客さんが喜ぶようなニーズをつかみ取り提案する、自分なりに提案するということです。1つ上のBになると客観的なデータを基に本当のニーズをつかみ取り提案するということになります。

 成功するかどうかというのは、1つは会社全体や事業所のトップがフラットな組織にしようと思ったときに、本当にそうなりたいと思い、理解していなかったら無理だと感じます。「そうなったらいいな」と人事部門の人に任せきりではうまくいきません。もう1つは諦めないということです。我々は売上高が三十数%の成長を遂げていますが、チームづくりをしていた3年間はほとんど売り上げは微増でした。ここを耐え忍びました。私が唯一ほかの会社と違ったのは諦めなかったということです。

 皆さんは、組織をフラットにしたヤッホー井手社長の取り組みを聞き、どのように感じますか。ご意見をお寄せください。