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 2018年1月に日本語訳本『ティール組織』(英治出版)が発売されて以降、日本国内ではこの「ティール組織」が、「次世代の組織モデル」として注目を集めています。

 オープン編集会議「ティールってなに? 非管理型組織のススメ」では8月8日、ベストセラーとなった『ティール組織』で解説を書いた嘉村賢州氏(東京工業大学リーダーシップ教育院特任准教授、NPO法人「場とつながりラボhome's vi」代表理事:以下、嘉村氏)を招いて、ティール組織の基本的な考え方について取材しました。取材には読者9人が参加。質問が尽きることはなく、インタビューは2時間半に及びました。

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■参加したオープン編集会議メンバー(50音順、敬称略)
  • 石浦康雄   ファイテン
  • 大野次郎   ティシューバイネット
  • 岡田恵利子  はこだて未来大学大学院
  • 鈴木 瞳   マカイラ
  • 瀧本裕子   イノベーションブリッジ
  • 田中 宏   Glomeホールディングス
  • 原島 洋   ウェブマスターズ
  • 松嶋活智   リスナーズ
  • 松林知子   損害保険ジャパン日本興亜

これからオープン編集会議のメンバーと一緒に取材を進めていきます。その大前提として、「ティール組織」の定義について悩んでいます。「ティール組織」とは、ひと言で表現するなら、どんな組織のことなのでしょうか。

嘉村氏:実はこの「ティール組織」を巡る定義については危うい議論なんですね。

 国内でも、1年半前に『ティール組織』という本が出版されるまで、日本人では「ティール組織」について知っている人はほぼ皆無でした。組織論の専門家も、コンサルタントも、知らなかった概念なんです。

 ですから純粋に「ティール組織」を実践している組織は日本では皆無なわけです。

 しかし、日本だけでも『ティール組織』という書籍が7万部以上売れているように、経営のキーワードの1つとしては大きな注目を集めました。そして、こぞって「わが社はティールである」と名乗り始めている現状もあります。

 実際にそれがティール組織なのかというと、中にはティール組織ではない可能性のものもあります。

 ティール組織の著者であるフレデリック・ラルー氏が本書の中で紹介している企業も、よくよく見ればそれぞれで組織運営の方法は異なります。1社のやり方を見て、そのまままねをしても、絶対にうまくはいきません。それを前提にした上で、俯瞰(ふかん)的・抽象的に見ると、3つの方向性と特徴がありそうだと、私は感じています。