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4W1Hで整理し、戦術を立てる

 まずはプロモーションの基礎を学ぼう。ブランドや商品、もしくは企業自身や自治体などと消費者を結びつけるきっかけを作り出すのがプロモーションの役割だ。メンターを務める一人、情報コミュニケーション事業本部の鎌田浩史課長は「そのきっかけの中に、驚きを与えたり、喜ばせたり、笑わせたりーー。対象となる商品と消費者にとって最適な出会い方を設計、演出することが重要」と言う。同氏はハイボールブームの一助を担った飲料のプロモーション戦略などに携わってきた。

 プロモーションは「マーケティング」を構成する「4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)」の中の1つだが、「条件が厳しいほかの3要素に比べ、プロモーションは目的を完遂すれば何をやっても良く、自由な部分が大きい。それだけプランニングの力量やアイデアが試される」。

 戦術の立て方は「4W1H」で整理すると分かりやすくなる。Who=ターゲット(誰に対して伝えたいのか)、What=アクション(何をしてほしいのか)/When=時間(いつどれくらいの期間か)/Where=場所(チャネルや売り場はどこか)/How=ポイント(どうやってアクションさせるのか)だ。

 例えば「What」を「商品の購入」とするならば「How」はどうやって売り場を確保するか、どうやって来店させるか、といった整理になる。10日間で出題する課題もこの4W1Hを考える機会になっている。

 戦術を考えるうえで大切な視点を、鎌田氏は「『俯瞰(マーケット視点)』と『主観(消費者視点)』で見ることだ」と指摘する。「いち消費者として自分が買いたくならないプロモーションに魅力は感じないが、仮に自分に刺さらなくてもほかの人には響くことはある。商品やブランドの置かれている状況を俯瞰で見て客観的に分析しつつ、ターゲットになりきって主観でも分析することが重要だ」と解説する。例えば鎌田氏が女性向け商品の担当になるときは、社内の女性社員や家族に話を聞いて主観性を持たせるという。

 冒頭で触れたようにSNSの普及やECサイトの拡大により、情報への接し方や購買方法はこの数年で大きく変わった。ECサイトは商品の存在を知ると同時に購入が可能だ。鎌田さんも「従来の広告が魅力的というだけでは購買に直結しなくなっている」と環境の変化を指摘する。もっとも、こうした変化の中で面白さもあるという。例えば、従来は家庭でテレビを見て店頭に足を運ぶというケースが多かったが、今はテレビを見ない層も増え店頭でのパッケージやPOPで勝負する機会が増えた。店頭でもかつては紙でのPOPが中心的であったが、今はディスプレーを使って映像で見せるなどの手段もある。

 さらに「デジタルによるアナログの代替が一巡し、今はまたアナログの面白さが問われる時代だ」ともいう。面白い宣伝を作れば、それを写真などでSNSに投稿もしてもらう広報手段の可能性が広がる。凸版印刷からプロモーションの極意を学んでほしい。

メンターからのコメント

鎌田 浩史
凸版印刷株式会社マーケティング本部デジタルプロモーション企画部1T 課長
皆さんは今までいろいろな買い物をしてきたと思いますが、なぜそれを買ったのか、その理由を突き詰めて考えたことはありますか? そのアイテムが好きだから? 友人がSNSにアップしていたから? モテそうだから? 最近は広告だけでなく様々な時間と場所から情報が手に入る時代です。そんな時代の中でのヒット商品を生み出すための「プロモーション術」のヒントを学んでいきたいと思います。皆さんの先入観のないユニークな発想とアイデアでたくさん意見交換をしていきましょう!