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「ミドルの憂鬱」、どう乗り越える?

 先日、私と同世代の43歳の知人が次のような悩みを打ち明けてくれました。

 大学卒業後に上場企業に就職し、目の前の仕事に一つひとつ、全力で向き合ってきた。この20年間はあっという間だった。共働きの妻と何とかやりくりしながら、2人の子供は順調に育ち、1人は高校生に、もう1人は中学生になった。自分も40代に課長になり、同期の中では、昇進は早い方だ。

 だが、このままでいいのか。日々の仕事はこなしているが、自分が成長していないと痛感する。職場では認められてはいるけど、職場の「外」で自分が関わるコミュニティーもない。このまま、「職場の中だけ」で生きていってもいいのだろうか。いつの間にか、社会の変化についていけなくなっているのではないか。

 こういった不安は、私の友人ばかりでなく、ミドル期を迎えたビジネスパーソンなら誰しも感じるものだろう。

 「組織の中」での昇進や評価を意識して頑張り続けてきたが、ミドルになって頭打ちになる状態。これは「ミドルの憂鬱」「中年の危機」などと呼ばれ、理論的にも「キャリア・プラトー」(編集部注:プラトー=plateauとは、高原、台地の意味)として認識されてきました。

 このミドル・キャリア形成期の不安や停滞を、「プロティアン・キャリア」はどのように打開していくのでしょうか。

 もちろん本ゼミでは、「そんなことは精神的な問題なので、気にせずにとにかく変わり続けましょう」など丸投げはいたしません。

 解決するには、あなた自身の「キャリアキャピタル」の分析からスタートします。

 このキャリアキャピタル分析は職歴を書き出すことではありません。履歴書とも違います。ここで、本ゼミの第1回で紹介した「あなたは変幻自在にキャリアを作る『土台』があるか」内の「プロティアン・キャリア」診断を振り返ってみましょう。

■プロティアン・キャリアかどうか調べてみよう
項目 チェック
毎日、新聞を読む  
月に2冊以上、本を読む  
英語の学習を続けている  
テクノロジーの変化に関心がある  
国内の社会変化に関心がある  
国外の社会変化に関心がある  
仕事に限らず、新しいことに挑戦している  
現状の問題から目を背けない  
問題に直面すると解決するために行動する  
決めたことを計画的に実行する  
何事も途中で投げ出さず、やり抜く  
日ごろから、複数のプロジェクトに関わっている  
定期的に参加する(社外)コミュニティーが複数ある  
健康意識が高く定期的に運動している  
生活の質を高め、心の幸福を感じる友人がいる  

 実はこのプロティアン・キャリア診断は、「文化資本」と「社会関係資本」を念頭に置いて、チェック項目に落とし込んだものでした。次のページでは、さらにあなたのキャリアを、分析していきましょう。