「ポケモンGO」がゲーム市場を変えた
安田:こう考えると、本当にゲームって幅が広がってきていますね。少し前には「ポケモンGO」が爆発的にヒットして、従来はゲームとは無縁だったような人たちが、外を歩きながら新しい形のゲーム体験をするようになりましたし。
入山:あれがゲーム市場を変える1つのきっかけにもなったよね。
金野:そうですね。スクウェア・エニックスさんも9月に「ドラゴンクエストウォーク」をリリースしましたね。
入山:「ドラクエウォーク」ね。安田さん、やってる?
安田:入山さん、レベルいくつですか。
入山:なんかマウンティングしてきてる(笑)。途中で挫折して、まだレベル8とか9ぐらい。
安田:僕、43ぐらいいった(笑)。
入山:マジか。安田さん、忙しくないの?
安田:いやいや、すき間時間にできるので……。
金野:移動中でもできますからね。
安田:ええ、「ウォークモード」っていうのがあってですね。これがすごくて……ああ、この話をしていると、また時間が……。
入山:このセッションの議論をまとめると、日本のゲームメーカーはIP、つまりコンテンツキャラクターを持っていますが、それをスマホとかARに生かせば、ゲームの楽しみ方は全く変わってきます。今、各社の取り組みはその途上にあって、ゲームの使い方がまさに変わりつつあるということですね。「ポケモンGO」も「ドラクエウォーク」もそうだし、いずれ「パックマン」もそうなっていくと。
安田:日本のゲームメーカーは人気コンテンツ、人気キャラクターをたくさん持っています。どういう形で横展開し、新しいゲーム体験につなげていくかが問われていますね。次回は、市場規模の7割を占めるに至っているスマホゲーム、モバイルゲームについて、功罪含めて詳しくお聞きしていきたいと思います。

金野 徹(こんの・とおる)
バンダイナムコエンターテインメント取締役NE事業部担当兼NE事業部長
1995年バンダイ入社。バンダイナムコエンターテインメントNE事業部マーケティングディビジョンディビジョンマネージャーなどを経て2018年4月から現職。
齊藤昌幸(さいとう・まさゆき)
みずほ銀行産業調査部調査役
2010年にみずほ銀行入行。みずほ証券アドバイザリー第六部、みずほ銀行東京法人営業部などを経て、2019年から現職。ゲームのほか、アニメなどのコンテンツ産業や広告などのメディア業界を担当する。
入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール教授
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学院修了。2008年米ピッツバーグ大経営大学院で博士号取得(Ph.D.)。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授などを経て2019年から現職。著書に『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP)などがある。
安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授
2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『経済学で出る数学:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。
この記事はシリーズ「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。