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ゲームの境界は“溶け”始めた

安田:ここで、そもそものゲーム市場についてお聞きしたいと思います。読者からもそういう質問がきています。

 「TS」さん、電子エンジニアの方からです。「余暇産業全体としてどのくらいの市場規模があり、それぞれの余暇コンテンツはどのくらいのシェア分布になっているのか」と。齊藤さん、そういう大まかな市場規模について、お話しいただけますか。

安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授
2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『改訂版 経済学で出る数学:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。(写真:陶山 勉)

齊藤:余暇産業だとあまりにも広くなってしまうので、少し絞ってコンテンツ産業としての数字をご紹介しますと、全体の規模では12兆円ぐらいでしょうか。動画、雑誌、漫画などですね。その中でゲーム市場は1.7兆円です。そこからスマホゲーム市場に絞ると、だいたい1.2兆円。

入山:1.2兆円も? 本当ですか? スマホゲームって、そんなに大きな規模になっているんですか。

(写真:陶山 勉)

齊藤:はい。10年前まではスマホゲームという市場自体がありませんでした。そのときのゲーム市場はだいたい8000億円。そこから少しずつ、少しずつ、据え置き型のゲームの市場が縮小していって。

安田:据え置き型、つまり家庭用ゲームといわれるものですね。

齊藤:そうです。そういうゲームの市場が少しずつ小さくなっていく一方で、スマホゲームは爆発的に伸びていって、今、ゲーム全体で1.7兆円にまで拡大したと。

安田:ゲーム産業全体は右肩上がりだけど、実は家庭用ゲームはちょっと落ちてきている。スマホゲームが爆発的に伸びてきているということなんですね。

入山:そうすると、バンダイナムコもネットワークエンターテインメントに力を注いで、スマホ型に移行していこうと考えているのですか。

金野:当社は全方位で事業をやっています。これから、例えばクラウドゲームみたいなものが出てくれば、家庭用ゲームとスマホゲームの境界はだんだん曖昧になります。どこからどこまでがゲームかという境界自体がどんどん溶けていくと思うんです。

入山:なるほど。据え置き型か、スマホ型かという境は分からなくなってくるわけですね。

金野:そうですね。デバイスはもう関係なくなっていくと思います。ゲーム産業全体が伸びているという点を我々はポジティブにとらえています。