各業界をよく知る第一線のゲストに話を聞きながら、今後、その業界がどう変わっていくかを探る連載「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」。第4回シリーズ(File 4)では、ローソン専務執行役員の宮﨑純氏と同社中食商品本部商品戦略部長(取材当時)の荒井淳司氏、小売り・流通業界に詳しいnakaja lab代表で中小企業診断士の中井彰人氏をゲストにお招きして、コンビニエンスストア業界についての議論を展開している。

 最終回の議題はコンビニの未来。コンビニチェーン同士だけでなく、EC(電子商取引)やドラッグストアとの競合も激化する中、全国に既に約5万6000店舗あるコンビニ店はどう価値を提供していくのか。10年後のコンビニのあるべき姿を語り合った。

(取材・編集=小林佳代)

入山:「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」、今回はコンビニエンスストア業界についてローソン専務執行役員の宮﨑純さん、中食商品本部商品戦略部長の荒井淳司さん、小売り・流通業界に詳しいnakaja lab代表で中小企業診断士の中井彰人さんをゲストにお迎えして議論しています。……で、早速、続きを始めようと思ってるのですが、ちょっと安田さん、何モグモグしてるの?

安田:これ、第3回の最後に荒井さんが紹介してくださった「ブランパン」のドーナツです。ドーナツをいただきながら引き続き議論を進めていきましょう。ここまで3回にわたってコンビニ業界についてお話を伺ってきましたが、最終回は未来の話をお聞きします。まず、10年後のコンビニ業界ってどうなっているのか。「こんな風に変わるんじゃないか」とか、「このキーワードが重要になるんじゃないか」とか、ボードがありますので自由に書いていただけますか。

 じゃあ、早速、入山さんからいきましょうか。気鋭の経営学者はコンビニの未来をどう見ているか。どうぞ。

入山:僕はこれがポイントだと思っているんですよ。

安田:「レジ越しのコミュニケーション」ですか。なるほど。

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