各業界をよく知る第一線のゲストに話を聞きながら、今後、その業界がどう変わっていくかを探る連載「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」。第4回シリーズ(File 4)ではコンビニエンスストア業界を取り上げている。ローソン専務執行役員の宮﨑純氏と同社の人事本部人事管理部長(取材時点ではローソン中食商品本部商品戦略部長)の荒井淳司氏、小売り・流通業界に詳しいnakaja lab代表で中小企業診断士の中井彰人氏をゲストに招き、コンビニ業界について本音の議論を展開している。
今回はコンビニの“1丁目1番地”である商品戦略について語り合う。コンビニではプライベートブランド(PB)商品が花盛り。食品を中心に、各社とも、魅力あるPB商品の開発を競い合っている。「売り場にPBばかり並んでゲンナリ……」という声もあるが、PBは今後もさらに増えるのか。消費者にメリットはあるのか。
(取材・編集=小林佳代)
入山:「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」、今回、取り上げるのはコンビニエンスストア業界ということで、ローソンの本社にお邪魔して、専務執行役員である宮﨑さん、それから商品戦略部長を務められている荒井さん、そして小売り・流通業界に詳しい中井さんに来ていただいてお話を伺っています。安田さん、ここまで議論してきていかがですか。
安田:今、24時間営業やその背景にあるコンビニ本部と加盟店とのフランチャイズ契約内容などが社会問題化しています。非常に難しいながらも解決策の方向性を探り、AIなどのテクノロジーを使って本部と店舗の双方の問題を軽減していく道筋を見つけようとしているということは感じました。
入山:恐らく本部の強さと現場の裁量の自由度にはトップ3社でも違いがあります。比較的本部が強いとされているセブン-イレブンから今年いろいろな問題が出てきたというのも、その辺が関係していると思いましたね。
安田:今後、今の問題が是正される方向に進んでいくと、もしかしたらファミリーマートやローソンにはチャンスが生じるということになるかもしれませんね。
入山:そういうことですよね。さて、ここからは少し違う視点でお話をお聞きしていきたいと思います。今回のテーマは商品です。
今、コンビニの商品で話題になるのは、なんといってもプライベートブランド(PB)商品ですね。コンビニが自分たちのブランドでいろいろなモノを売っています。僕もポテトチップスやドリンク、いっぱい買ってます。
安田:安くていいですよね。PB商品。ありがたいです。
ほぼ同じ商品なのになぜか安い
入山:そうね。ほぼ同じ商品なのに、なぜか安いですからね。ではせっかくなので、まずここにある○×棒を使って皆さんの意見を聞いてみましょう。
コンビニで今、非常に広まっているプライベートブランド、今後ももっと増えていくのか、広がっていくのかということについて、ご専門の立場から「○」か「×」かを考えて出していただきたいと思います。安田さんもね。
安田:僕もですね。はい。
入山:PBはもっと増えていくと思う方は「○」を、そう思わない方は「×」を挙げてください。では、お願いします。
ああ、全員「○」ですね。では中井さん、そう考える理由をお願いします。
「PB比率が高いと思われている感覚がわかりません」
中井:PBはいろいろな業界で登場していますが、とりわけコンビニエンスストアが大きくPB市場をけん引したと思います。コンビニ店というのは見て分かる通り、非常に絞り込んだ商品で構成されています。そのお店が何万店もあるわけですから、商品1品当たりの売れる数はほかの業界に比べて桁違いに大きくなります。
中井彰人(なかい・あきひと)
nakaja lab代表
みずほ銀行の中小企業融資担当を経て、同行産業調査部にてアナリストとして産業動向分析に従事。中小企業診断士として独立する。
入山:そうか。1品当たりの量が多い。
中井:はい。ものすごい量になるわけです。
入山:そうすると、PB化した方が効率が良いという。
中井:はい。当然、安くもできます。それは非常に大きいですね。
入山:この流れは恐らく変わらないだろうと。では、これからもっと増えていくという前提で次の質問をお尋ねしたいのですが、果たしてそれでいいのかという話です。消費者の立場から見た場合、またお店の立場から見た場合、どちらも含めてご意見を伺いたい。
先に意見を言っちゃうと、僕自身は「PB、ちょっと多過ぎじゃない?」と思うときもあって。いろいろな商品を見たいのに、売り場にコンビニのロゴが付いた商品ばかりだと正直、ちょっとゲンナリするところがあります。
この辺、それぞれのお立場でどう考えるのか。PB商品が増えるのはいいことなのかどうか。安田さんはぜひ消費者の立場で答えてください。では「○」か「×」か。はい、ではお願いします。
お、これは面白いですね。安田さんは消費者の立場として「×」ですね。ローソンのお2人は「○」。中井さんも「○」と。では商品部長の荒井さん、理由をお願いします。
荒井:ええと、なんでも話をしていいということですよね。
入山:はい、ぜひもうぶっちゃけで言ってください。
荒井:そもそも前提として、PB比率が高いと思われている感覚がわからないんです。
入山:実際はそうでもないということですか。
荒井:例えば、ローソンでPB商品の売上高構成比は4割ぐらいです。セブンさんの売り場を見て、陳列してあるアイテムの比率を見ても、同じく4割弱ほどです。
その4割の中には当然、お弁当とか、パンとか、食事系のものが入っています。なので、例えばペットボトルに入ったソフトドリンクの4割がPBかというとそんなことはなくて、弊社だとアイテム数では6アイテムぐらいしかない。
入山:意外と少ないと。
荒井:120~130アイテム並ぶうちの6アイテムですから、構成比で言うと数パーセントです。全体で見ると4割ですけど、カテゴリーごとに見るとPB比率が高いものばかりではありません。そういう意味で、PBの可能性は今後、まだまだあるだろうと考えています。
入山:なるほど。
商品は「距離超え」のカギ
宮﨑純(みやざき・じゅん)
ローソン専務執行役員
1980年日本エアシステム(現日本航空)入社。広報室羽田分室長などを歴任。2003年ローソン入社。執行役員コミュニケーションステーションディレクターなどを経て、2015年常務執行役員・コミュニケーション本部長兼広報室長兼社長室長兼人事副管掌などに就任。2018年から現職。
荒井:PBに対する考え方も変わってきています。かつてはPB商品=低価格商品、というように思われていたと思います。ナショナルブランド(NB)と違って販促費などがかからないので、その分、原価を下げることができる。店舗からすると値入率(売価と商品原価の差額の原価に対する比率)が上がります。お客様からすると価格が安いということになります。
今後のPBを考えると、本当にお客様が求めるPB商品というのは、単に「安ければいい」だけではなくなっています。その可能性を探っていくと、お客様に認められ、受け入れていただくPB商品が生み出せるのではないかと思います。その結果、構成比が上がる可能性もある。
今、弊社はお客様の消費シーンをパターン化し、そのターゲットに対してものづくりをするというPDCAを回し始めています。購買データを取ることで、実際にその商品がターゲットとする客層に刺さったか刺さっていないかもすぐに分かります。仮説を立てて検証しやすい。PBの方が自分たちの意思を明確に持って商品をつくることができます。そういう意味で「○」を出しました。
入山:お店にとってもPBが増えるのはいいことだし、お客にとってもいいことだと。宮﨑さんも同じようなご意見ですか。
宮﨑:そうですね。ローソンのグループの中に成城石井とナチュラルローソンという店舗があります。これらの店では、特に付加価値が高いPB商品を置いていますが、そのような商品はやはりお客様の支持が高いです。
小売業にとって商品は1丁目1番地です。いかにお客様に選んでいただく商品を提供できるかが大切です。セブンさん、ファミマさんをはじめ、競争が激しくなっている中で、「距離超え」と言いますが、あえて遠くのローソンに行こうと思っていただくためのカギはやはり商品なのです。
入山:へえ、「距離超え」という言葉があるんですね。商品に魅力があれば、遠くでも距離超えして、わざわざその商品を買いに来てくれると。
宮﨑:はい。それをPBでつくっていくという考えです。ただ、日本のメーカーさんは非常に優秀ですから、NB商品も置きながら、PBでいかに差別化していくかというのが我々の戦略となります。
入山:なるほど。消費者代表の安田さんは「×」ですが。
安田:いや、まあ、消費者の視点から言うとですね、先ほど入山さんも強調されていたように、PBがあれば安くて懐に優しいのでありがたいんですけど、それではちょっと行き詰まるんじゃないかと思って「×」にしたんです。
入山:なぜ行き詰まると?
安田:ちょっとね、さっき荒井さんの話を聞いて「×」から「○」に変えたい気分なんですけど(笑)。PB=安い、質もそんなに高くないという意識を持つ消費者がまだ多くて、安かろう、悪かろう的なものにコンビニ各社が傾斜していってしまうと、結局、スーパーと何ら変わらなくなってしまうんじゃないかというところが心配だったんです。
確かに短期的には安くてうれしいんだけど、コンビニを利用する理由がどんどんなくなっていっちゃうんじゃないかと。
さらに大胆に敷衍(ふえん)すると、日本の経済界がずっと陥ってきた、「コストを下げて安値販売で何とか利益を上げていく」というところにコンビニは入っていってほしくないという気持ちがあって。
ほかではできないような新しい高付加価値のサービスを、決して安い値段ではなくつくり出していくハブであってほしいという思いがあったので、その気持ちを込めて「×」にしたんですけど、まさにその話を荒井さんがおっしゃっていたので、「○」でいいかなと(笑)。
入山:結構、簡単に日和るね(笑)。
安田:いやいや。
PB、NB、ご当地商品をバランス良く
荒井淳司(あらい・じゅんじ)
ローソン人事本部人事管理部長
(取材時点ではローソン中食商品本部商品戦略部長)
1997年ローソン入社、店舗勤務を経て店長。その後スーパーバイザー、業務企画室、経営戦略ステーション戦略企画、商品戦略部マネジャー、シニアマネジャーなどを経て2014年から商品戦略部長
入山:1つ、「日経ビジネス」編集部から来ている質問があって、僕も「そうだな」と思うんですけど、コンビニって一番日常的に行くところなので、NBの新商品をお披露目する大事な場になっていたという側面があります。
実際、僕もコンビニに行って、新しい商品を見ると、「こういう商品が出たんだ」とワクワクしますし。PBだらけになると、そういう機能というか役割もなくなっていってしまいそうですが、それでいいんですかという質問です。いかがですか。
荒井:当然、選択肢として、新商品やある層に受けている定番のNB商品を陳列する必要はあると認識しています。100%PBにしたいという話ではなく、商品群のラインの一部で、ある程度のPB比率を持つようにしたいと考えています。
入山:バランスを取るということですね。
荒井:NBの中でも、全国区のNBと、ご当地と呼ばれるNBがあります。例えば、中四国の一部の県では、「白バラ牛乳」という牛乳が定着しています。白バラ牛乳がない売り場は地元のお客様には魅力がないので、当然必要な商材になります。各エリアでそういう取り組みはしていかなくてはなりません。コンビニ各社とも、そういうことも含めてNBとPBの在り方を検討していると思います。
安田:今のお話に関連する質問が読者の方から届いています。「子供好きの社会人」さんから。「24時間便利を提供するより、より顧客が欲しいモノを地域を問わず、より近くで提供する場になると思います。その転換をどうするかを知りたいです」
入山:うん、さっきの話に関係しますね。いかがでしょうか。
荒井:弊社でいうと、コンビニ1店舗に展開しているアイテム数は3500アイテムぐらい。この中のやりくりです。商圏のお客様が本当に「欲しい」と思う商品を随時入れていかないと魅力度が下がってしまいますので、商品の選択力、開発力を各社、切磋琢磨(せっさたくま)しているところだと思います。
安田:「どの商品を売り場に並べるか」ということについては、本部側が決め打ちするのか、店舗側からもある程度リクエストできるのか。その辺はどうなっているんですか。
荒井:他社の状況は存じ上げないのですが、弊社に関しては、まず全国標準の棚割りをつくります。そこから全国を北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州と7エリアに分けて、標準棚割りを落とし込むという作業をしています。ご当地の商品なども入って最終の推奨の棚割りに仕上げるというのが今のプロセスです。
3500アイテムの中に「基本商品」と呼ぶ売上高構成比の高い商品群が1200~1300あります。これらは全店並べるというのが前提で、そのほかの2000強は最低限必要と思われる機能を持った商品、新商品、エリア性のある商品などを陳列し、個店ごとの売り場は最終的には加盟店につくっていただいています。
お弁当のおいしさはベンダーの能力が影響する
入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール教授
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学院修了。2008年米ピッツバーグ大学経営大学院で博士号取得(Ph.D.)。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授などを経て2019年から現職。著書に『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社)などがある。
入山:コンビニって全国一律の効率性があることでPBをつくるのにも強みがあるわけですが、一方でそれぞれの地域のニーズというのも根強くあります。そういう中でコンビニの商品戦略はどうしていけばいいのか。中井さん、どうお考えですか。
中井:コンビニの本来のコンセプトというのは、「限られた時間の中で一番欲しいものを今、手に入れることができる」ということです。そういう中で、コンビニ各社は距離超えをしてもらうためにどうすればいいかということを日夜考えて競争されています。
一番お客様に近い人たちが、売り上げの状況を見ながらぐるぐる入れ替えして、商品の競争をしています。そうやって切磋琢磨して、店のブランドを向上するためにどんな商品がいいのかと追求していくと、多様性も含めて、最終的には消費者のために一番良いものが選ばれていくんじゃないかと思いますね。
安田:そういう中で、読者の方からちょっと読み上げにくい質問がきているんですけれども。「中小企業技術職人」さんから。「なぜファミマの弁当はまずいのか?」。
入山:「私の周りは皆セブンの方がおいしいと言っています」とも書いてありますね。良かった、今日お邪魔したのはローソンで(笑)。でも僕はファミマおいしいと思うけどなあ。ファミマの揚げ物は最高ですよね。一時期僕の体の成分の4割は、ファミチキでできていましたから(笑)
でも率直に申し上げて、PBも含めて、コンビニ間で商品開発力に差がある印象はあります。お2人の前で申し訳ないけれど、やっぱり「セブンはおいしい」という人はやや多い気がします。もちろん、好みの違いがあるので「ローソンが好き」「ファミマが好き」という方もいる。
「悪魔のおにぎり」みたいな大ヒット商品も出ていますし。コンビニの目指す方向性などで差が出るのでしょうか。
中井:コンビニ各社とも、とにかくチャレンジして検証して、PDCAを回すことを繰り返しているという点は共通しています。ただ、特にお弁当のこととなると、ベンダーさんの囲い込みの状況などが違う。各社の歴史が関係している面もあります。お弁当をつくるのがどのベンダーさんかという差が結構あるんです。
入山:ベンダーさんの能力がお弁当のおいしさに影響していると……。
中井:はい。協力会社のネットワークというのは過去から培ってきたものなので、簡単には変わらない部分ではあります。
グルメの友人がセブンの親子丼を称賛
安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授
2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『改訂版 経済学で出る数学:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。
入山:チェーンごとの色はありますよね。ファミマは揚げ物が強いし、セブンはおにぎりが強いというような。それも歴史的な経緯が影響しているのでしょうか。
中井:そう思います。例えばセブンのおにぎりの話が出ましたけど、市場で築地のすし屋の次に高いノリを買っていくのはセブンだという話を聞いて驚いたことがあります。品質に関しては、皆さんが思う以上にコンビニの方々は力を注いでいらっしゃいますね。今、差があるかどうかは別として、同じ方向を志向してはいます。
安田:各社とも同じことをやって差が出ないのは問題ですが、切磋琢磨した結果、質が上がって差がなくなっていくなら何も問題ないですよね。僕の友人に、すごくグルメで普段高級レストランの写真をインスタグラムにアップしているようなやつがいるんですけど、あるとき、「この弁当はうまかった」とセブンの親子丼を載せていたんです。コイツが言うならと買って食べてみたら確かにうまかった。
僕、正直言ってそれまでコンビニのお弁当のイメージがあまり良くなかったんですが、「ここまで進化しているんだ」と驚いて、コンビニでまた買ってみようという気になりました。僕は普段コンビニチェーンの違いも認識していないような素人の消費者なので、このときも、チェーンの違いを認識するというより、コンビニのお弁当そのものへの評価が高くなりました。
荒井:おっしゃる通りで、各社、ものづくりには相当、力を入れています。ベンダーさんの製造レベルをアップすることにも取り組んでいますし、原料もこだわっています。弊社はグループ会社の中にそれを専門で取り扱う企業もあるので、少しでも良い商品を出そうと努力しています。こういう取り組みはセブンさんもファミマさんもやっているので、後はお客様にどう伝え、訴求できるかが差になっていくのかなと思います。
入山:せっかくですから、荒井さんが、「ローソンは今、これに力を入れている、おいしいからぜひ食べてみてほしい」という商品をご紹介いただきたいのですが。
荒井:「ブランパン」のドーナツはぜひ食べていただきたいですね。「ブランパン」というのは穀物の外皮を使ったパン。糖質・カロリーを抑えているのが特徴です。
入山:「ブランパン」のドーナツ……。えーと、ここにローソンの商品いろいろ並んでますが、ありますか?
荒井:今ないんですよね(笑)。
入山:おっと。ないんだ。ちょっと買ってきていただきますか(笑)。
安田:ビル1階のローソンで(笑)。
荒井:ローソンは健康関連商品に力を入れていて、健康を意識したお客様も増えています。ここにある「グリーンスムージー」なんかもそうですけど、糖質を減らしたり、塩分を減らしたり、健康を意識した商品を出しています。
「ブランパン」も長年、提供してきた商品ですが、従来、味のイメージがあまり良くなかったんです。商品開発で改善を重ねて、今の「ブランパン」は7代目。お客様の認知や評判も上がってきているので、ぜひローソンで売り場を見ていただきたいです。中でも、ドーナツは食べていただくと分かりますが、本当に甘い。でも糖質はきちんと減らしています。
入山:なるほど。確かにローソンって大手3社の中では一番健康に配慮しているというイメージがあります。
安田:「ナチュラルローソン」もありますからね。コンビニ素人の僕でも「ナチュラルローソン」は知ってます。
荒井:そういう取り組みもブランディングの1つだと思っています。
入山:というわけで、安田さんは「セブンの親子丼がおいしい」と言っていましたけれど、僕はローソンの「ブランパン」をお薦めします(笑)。
本日の参加者
略歴
宮﨑純(みやざき・じゅん)
ローソン専務執行役員
1980年日本エアシステム(現日本航空)入社。広報室羽田分室長などを歴任。2003年ローソン入社。執行役員コミュニケーションステーションディレクターなどを経て、2015年常務執行役員・コミュニケーション本部長兼広報室長兼社長室長兼人事副管掌などに就任。2018年から現職。
荒井淳司(あらい・じゅんじ)
ローソン人事本部人事管理部長
(取材時点ではローソン中食商品本部商品戦略部長)
1997年ローソン入社、店舗勤務を経て店長。その後スーパーバイザー、業務企画室、経営戦略ステーション戦略企画、商品戦略部マネジャー、シニアマネジャーなどを経て2014年から商品戦略部長。
中井彰人(なかい・あきひと)
nakaja lab代表
みずほ銀行の中小企業融資担当を経て、同行産業調査部にてアナリストとして産業動向分析に従事。中小企業診断士として独立する。
入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール教授
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学院修了。2008年米ピッツバーグ大経営大学院で博士号取得(Ph.D.)。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授などを経て2019年から現職。著書に『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社)などがある。
安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授
2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『経済学で出る数学:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。
この記事はシリーズ「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。