スマートグラスも初体験
スマートグラスも初体験

これからはスマートグラスが主流になる

安田:ここまではVR業界について、業種ごとにどんな使い方があるかとか、どんな分野が伸びそうかということをお聞きしてきました。ここで、ぜひデバイスについてもお聞きしたいと思います。

入山:我々の手元に「VR・ARの普及、発展段階」という資料がありまして。まずはゲーム市場の拡大とともにヘッドマウントディスプレーが市場をけん引する。それがスマホベースでAR的な技術が進み、やがてARの専用機みたいなものが出てきて、最終的にはスマートグラス市場が出てくる。圧倒的に処理性能が向上し、長時間利用可能で高機能になるだろうと。

 今回、我々が試したのはVRゴーグル、つまりヘッドマウントディスプレーでしたけれど、これから先はスマートグラスに発展していくといわれている。つまりメガネ型ですね。

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安田:メガネ型のデバイスは、かつてグーグルが開発していましたが。

入山:「グーグルグラス」ね。

安田:あまり聞かなくなっちゃいましたけれど。将来的にはああいうメガネ型も出てくるのでしょうか。

武樋:出てくると思います。グーグルも引き続き開発を進めていますし。

入山:開発をやめたわけではないんですね。

武樋:やめてはいないです。近いところだとマイクロソフトも「ホロレンズ」というスマートグラスを出しています。ARの1つの形態であるMR(複合現実)用のデバイスです。

 レンズ部分が透過型になっているので現実の世界をそのまま見ている上にデジタルデータを重ね合わせることができる。モノを認識するとそのデータが出ててくるとか……。マイクロソフトは近々「ホロレンズ2」を出す予定です。

 今年のCES*1でも、ものすごい数の企業がスマートグラスを出品していました。VRとかAR、MRを総称してXRという言葉が出てきていますが、そういうXR用のスマートグラスは全く新しい盛り上がりを示しています。

*1)米ラスベガスで開かれる世界最大級の家電見本市

安田:CESってものすごく広くて回るのが大変っていいますよね。あれこそ、VRで見られればいいのに(笑)。

入山:確かに。よく考えたらCESこそVRでやればいいんだよね。

長島:スマートグラスって、外が透けて見えるじゃないですか。夢だけの世界にはならないですよね。だからスマートグラスはARとかMRの技術に属していくことになるでしょう。

安田:さっき僕、VRを体験した時にゴーグルをつけたら手元のコントローラーが見えなくなりましたけれど。スマートグラスならそうはならないんですね。

入山:だから意外と我々もなじみやすいかもしれないですね。

本日の出演者

長島聡(ながしま・さとし)
ローランド・ベルガー代表取締役社長
工学博士

早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、各務記念材料技術研究所助手を経て、ローランド・ベルガーに参画。自動車、石油、化学、エネルギーなどの業界を中心として、R&D戦略、営業・マーケティング戦略、ロジスティクス戦略、事業・組織戦略など数多くのプロジェクトを手掛ける。著書に『AI現場力 「和ノベーション」で圧倒的に強くなる』(日本経済新聞出版社)、『日本型インダストリー4.0』(日本経済新聞出版社)などがある。


武樋恒(たけひ・わたる)
シナモン代表取締役

1987年新潟県長岡市生まれ。2010年明治大学経営学部卒業。大手メーカー系SIer営業、ベンチャー企業でのWebマーケティングコンサル、個人での海外ビジネス立ち上げ、コミュニケーションロボット開発などを経験。2016年にVR領域で起業、Synamonを設立し代表に就任。VR空間上でのコラボレーションベースシステム「NEUTRANS」の開発、提供に注力している。


入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学院修了。2008年米ピッツバーグ大経営大学院で博士号取得。米ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て2013年から現職。著書に『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(日経BP社)などがある。


安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授

2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『経済学で出る数字:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。

この記事はシリーズ「入山章栄・安田洋祐の業界未来図鑑」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。