「eスポーツ」観戦が普及すれば市場は拡大する
入山:齊藤さんは未来のゲーム市場について思い描いている姿はありますか。
齊藤:僕はやっぱり「eスポーツ」が拡大していくといいなと思っています。「eスポーツ」市場はまだめちゃくちゃ小さいんですよ。
入山:あ、まだ小さいんだ。
齊藤:日本だと100億円に届いていないんです。世界全体の市場規模もまだ1000億円ぐらい。これから伸びる産業とは言われているんですけれど、いろいろな問題や障壁も抱えています。
夏には「フォートナイト」のワールドカップで優勝した高校生が3億円の賞金を獲得したということがニュースになりましたけれど……。
入山:3億円ですか!
齊藤:はい。4000万人が参加する中で優勝したのが高校生で、そんな若い子に巨額の賞金を渡して大丈夫なのかという声も上がりました。
安田:確か日本でも、「eスポーツ」大会に優勝して500万円もらえるはずだった中学生が受け取れなかったというニュースがありましたね(※2)。
齊藤:おっしゃる通りです。プロライセンスの問題などが絡んでいます。「eスポーツ」への参加を労働として見ると、子どもは夜遅い大会には参加できないなどの規制も関わってきます。いろいろと難しい部分はあるんですけれども、1つの興行として野球やサッカー、最近ならラグビーを観戦するように、「eスポーツ」の観戦が1つの選択肢として広がれば、市場は大きくなっていくだろうと思っています。