終了後も話は尽きず、盛り上がった
終了後も話は尽きず、盛り上がった

商社やビジネススクールとも競合

編集部:コンサルファームの未来についても語り合っていただきましたが…。

入山:コンサルファームの役割はこれから大きく変わり、業務はコンサルティングにとどまらなくなっていくということですよね。面白かったのはコンサルファームがエクイティーを入れ始めているという話。

安田:株式を持ってリスクを取るようになってきたというんですから、究極の運命共同体ですね。

入山:今日も話をしましたが、コンサルファームの機能はデザインファームとかぶってきています。そして、プライベートエクイティー※注2ともかぶってきていると思う。既にエクイティーを入れているというのは、ある意味プライベートエクイティー投資と同じです。だから商社的になってきていますよね。

※注2:プライベートエクイティー
未公開株式に投資を行う投資家やファンド

編集部:商社的というのは?

入山:これからの商社って、やることは事業投資と事業経営ですから。マイノリティー エクイティーを入れて投資し、そこに人を送り込んで経営させている。やっていることはかなり近いです。

編集部:確かに機能が重なりますね。

ビジネススクールIMDの競合はマッキンゼー

入山:世界の大手コンサルファームは研修事業も手掛けています。スイスのビジネススクールの「IMD」って、実は研修事業が稼ぎ頭なんですけど、ドミニク・テュルパン前学長は「最近、企業向けのカスタマイズ研修のコンペでマッキンゼーやBCGと競合になる」と話していました。「マジ?」ってびっくりして。

安田:僕は今日、クライアントである企業側にコンサルファームへの依存体質があるのではないかと問題提起したかった。コンサルファームの報酬は時間で決まっていて、成果が出なければ切られて次がなくなるという話でした。

 その理屈は分かるけれど、実際のところ、一度、特定のコンサルファームを使えば、惰性で使い続けるものじゃないでしょうか。日本企業の場合は何年かたつと経営者が入れ替わります。前の社長が使い始めたコンサルファームを切るというのは、よほどの理由がないと難しい気がします。

 そういう意味では、今、報酬体系が変化しつつあることで、コンサルファームとクライアントとの関係も変化していく可能性がある。仕事の幅が多様化してきたことにとどまらず、そういう面でも大きく変容しつつある業界だと実感しました。

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