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海外ユーザーは戦闘ゲームが好き?

安田:単純に一人のゲーマーの好奇心からの質問です。今、入山さんが「フォートナイト」は海外のベンチャーが作ったゲームだとおっしゃっていましたけれど、そもそも戦闘物のゲームは、海外のメーカーが開発したものが多い気がします。ゲームに求めるものとか、プレーの仕方などが、日本と海外で違うのではないか、とも感じるんです。齊藤さん、その辺はいかがでしょう。お国柄ってあるものですか。

安田洋祐(やすだ・ようすけ)
大阪大学経済学部准教授
2002年東京大学経済学部卒業。2007年米プリンストン大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。政策研究大学院大学助教授を経て2014年4月から現職。専門はゲーム理論。共著書に『改訂版 経済学で出る数学:高校数学からきちんと攻める』(日本評論社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)、編著書に『学校選択制のデザイン ゲーム理論アプローチ』(NTT出版)などがある。(写真:陶山 勉)

齊藤:「フォートナイト」も「荒野行動」も「PUBG」も、ジャンルで言うと、「バトルロワイヤル物」ということになります。一度に100人がネットワークに接続して、その100人で戦い合って、最後の1人になるまで撃ち合うというゲームですよね。もともと、海外ではFPSのゲームがはやっていて……。

入山:FPSってなんですか?

齊藤:First Person Shootingの略になります。

安田:一人称視点のゲームですね。

齊藤:そうです。FPSに対して、ちょっとだけ視点を後ろにずらした、TPSのゲームもあります。Third Person Shootingの略称で、画面上ではプレーヤーの背中が見えるという形になります。この区分けでいうと、海外ではFPSで撃ち合うゲームがはやっていて、最近は「荒野行動」も「PUBG」もそうですが、日本でもユーザーが増えてきています。

安田:海外の方って一人称視点が好きなんですかね。ロールプレイングゲームで言うと、「ウィザードリィ(※)」も一人称視点。「ドラゴンクエスト」は上から俯瞰(ふかん)していますが。

(編集部注※)「ウィザードリィ」=米Sir-Tech社が発売したパソコン用ロールプレイングゲーム(RPG)。RPGの古典的名作とされる。

入山:米国人や中国人はシューティングゲームも好きですよね。米国に留学していたとき、同じ研究室にいた同僚が、夜中、パソコンでバンバン撃ち合っていて「怖いなー」って思った。金野さん、やっぱり日本で売れるものと海外で売れるものは違いますか。

金野:そうですね。スマホ向けアプリケーションでいうと、国によって好まれるジャンルや表現にはバラツキがあります。世界で売れているタイトルのランキングを見ると、ローカルで売れているタイトルの集合体なんですよね。世界中でまんべんなく売れているタイトルというのは少ない。中国の1位、米国の1位、日本の1位がランクインするというランキングになります。

入山:人を撃ち合うようなシューティングゲームを国で規制しようというような話は出てきていないんですか。

齊藤:聞いたことがないですね。もっともゲーム会社も工夫はしていて、殺し合うシーンでは、例えば血の色を変えたりとか、リアルに血がブシューッと飛び散るというのではなく、ポップな感じにするといった対応を取っています。