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中国政府はゲーム規制を導入

入山:読者の方からの質問をご紹介しましょう。大学院生の「北川みなみ」さんから、「中国の18歳未満の子供のゲーム規制をどう思われますか。中国の例は少し極端にも見えますが、同じような流れが日本・欧米市場にも来るのでしょうか?」という質問が来ています。中国は18歳未満の子供にゲーム規制をかけているんですね。

齊藤:はい。夜10時から翌朝8時までオンラインゲームで遊ぶことができませんし、日中プレーできる時間も平日90分、休日3時間までに制限しています。

入山:中国政府がそういう縛りをゲームメーカーにやらせているんですね。

齊藤:そうです。ただ、こうした規制を日本でも導入すべきかというと、これは本当に難しいところですね。ゲーム市場を成長・発展させていくには、1人でも多く、長い時間プレーをしてもらいたい。もちろんそうなれば、昔からいわれていたことですが、お子さんの勉強とか他の生活に悪影響を及ぼしてしまうことになりかねない。

 正直、アナリストとして、僕は賛成とも反対とも意見しづらいテーマですね。

安田:バトル系のアプリゲームに関する質問もたくさんいただいています。「KEN.A」さんから、「ニュージーランドの銃乱射事件は、『フォートナイト』に影響されたものだと犯人は語っている。『荒野行動』や『PUBG』などのシューティングゲームが、思考や脳にどう影響をもたらすものか検証もお願いしたい」ときています。

 「フォートナイト」や「荒野行動」、ほかにも似たようなゲームが幾つかありますけれど、ゲームの中で人を撃つシューティングゲームの影響について、医学的なエビデンスなどはあるのでしょうか。

齊藤:それに関しては調べたことがないですね。

入山:僕の息子も、一時期「フォートナイト」にはまりました。うちの奥さんみたいにゲームに耐性がない人からすると、ゲームの中とはいえ、息子が目の色を変えて人を撃ちまくっているのを見れば「大丈夫なのか」と怖くなる。金野さんは一人の専門家として、どう見ていますか。

金野徹・バンダイナムコエンターテインメント取締役(以下、金野):そうですね。中国は国として規制していますが、議論の大前提として、やはりペアレンタルコントロールは大切だと思います。

金野 徹(こんの・とおる)
バンダイナムコエンターテインメント取締役NE事業部担当兼NE事業部長 1995年バンダイ入社。バンダイナムコエンターテインメントNE事業部マーケティングディビジョンディビジョンマネージャーなどを経て2018年4月から現職。(写真:陶山 勉)

安田:我が家の任天堂「Switch」も、1時間プレーするとリンリン鳴り出します。

入山:ペアレンタルコントロールをしているんだね。

金野:その上で我々もゲーム業界として、自主規制も含め、適正な年齢の方に適正なコンテンツを提供することに取り組んでいます。

入山:コンソーシアムのようなものを立ち上げてルールを作っているということですか。

金野:そうです。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)という組織があります。この組織で未成年を保護するガイドラインやガチャの確率表示に関するガイドラインなどを決め、業界として適切な形でコンテンツを提供するための取り組みを続けています。

入山:例えば「フォートナイト」って海外のベンチャー企業が配信するゲームですよね。そういう新しい企業はその協会には入っていない(※)ですよね。

金野:そうですね。ただ働きかけはしています。(CESAが作成した)一定のルールの下でビジネスをしましょうという話をさせていただいています。保護者の方の理解を得て、適切にコンテンツを提供するということは、やはり我々がやっていかなきゃいけないことだと思っています。

(編集部注※)フォートナイトを制作・配信しているEpic Games社はCESAの会員ではないが、日本の現地法人Epic Games JapanはCESAの会員である。