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“ブラック企業っぽさ”はなくなってきたが…

安田:ビジネスの汎用的なスキルを身につける最高峰が外資系コンサルだという話がありましたが、その点はどうなのでしょうか。先ほど、小沼さんが入った頃のコンサル業界と今のコンサル業界では集まる人材も変わってきたということでした。そうすると、組織のカルチャーも変容している可能性がある。その中でも以前と変わらず3年や5年で十分なスキルを身につけられるのか。

小沼:やはり少しずつカルチャーは変わってきていて、端的に言うとずいぶん働きやすくなったようです。昔はかなり激しい業界で、本当に朝から晩まで働いていましたが。

入山:ちょっとブラック企業っぽかった。

小沼:それっぽいところもありました。そういう環境だからこそ、最短期間で異常に強い精神力を鍛え、必要なスキルを身につけられるという考えが浸透していた気がします。

リポートを目の前でビリビリ破られて…

入山:小沼さん、昔マッキンゼーの先輩に自分のリポートを目の前でびりびり破かれたことがあるって言っていましたよね。

小沼:そう。ありました。短い期間でコイツを成長させようという愛情と受け止めていましたけど。我々も、短い時間で自分を鍛えられる環境ととらえて頑張ろうという意識もありました。それが今はより長い期間、働けることを配慮されるようになってきた。いい変化だとは思いますが、一方で、マッキンゼーの中でやれること、身につけられることも変わってきているかもしれません。

入山:BCGもそうですか。

御立:うん、BCGも特に女性が長期的に仕事できるよう配慮をしてきて、5年ぐらい前にはグローバルに働き方改革を実行しています。プレディクタビリティー(予見可能性)を確保するとか、チームでカバーできるようにするとか体制を整え、非常に働きやすい会社になったのですが、もしかしたら、「3年で鍛える」という見地からは効率性、有効性が下がったかもしれない。

小沼:今のリーダー層がベンチャーに行っているのではないかという僕の仮説は、その辺りも関係します。ベンチャー企業はルールも何もないある種のカオス。もしかしたら、ブラックかもしれませんが、やりたいことがあって、とにかくそれを24時間やり続ける。そういう環境の方が成長できると感じる層もいるのではないでしょうか。

入山:いい意味でのブラックですね。

「今だったら、いきなり起業する道にいくんじゃないかと思います」