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若手のリーダーはベンチャーを目指す?

安田:では理由を聞いていきます。御立さんからお願いします。

御立:まずね、正直言って万人向けじゃないですよ、コンサルファームって。この業界に向いているのは、絶対的にこの業界が楽しいと感じる人。全員ではない。それが「×」を出した理由です。プロフェッショナルな分野で一定以上に行く人というのは、それが楽しくて、努力し続けることが全くイヤではない人です。イチロー選手なんか典型。オリンピックに行くようなスポーツ選手も、限界を超えるような練習が楽しいと感じる人ばかり。それと同じことがコンサル業界にもあります。お二人のいる学者の世界もそうでしょう。特殊な性格の人が勝ち残る業界です。それが「×」な部分。

 一方、「○」な面はビジネスの汎用的なスキルが身につけられることです。起業したり、NPOを運営したり、ビジネスと霞が関をつないだりというスキルを短い時間で磨くことができる。ずっとコンサルファームで働き続けるキャリアだけでなく、外に出て行くキャリアを歩むこともできます。小沼さんはその代表ですね。

安田:なるほど、わかりました。では次に小沼さん。小沼さんも「○」と「×」と両方を出しました。かなり悩んでいましたけど。

小沼:迷いつつも「○」を挙げたのは、過去、「イケてた」のは確かだと思ったからです。でも「×」も出しました。というのは、今はそれもちょっと変わりつつあるんじゃないかと。

 これは僕なりの定義なんですが、働く場として「イケてる」というのは、「どれだけ優秀な人たちと働けるか」だと思っていて。偏差値がどうこうではなく、新しい時代をつくっていくような、その世代の面白いヤツ、言ってみればリーダーになるようなヤツがどの業界に行っているのかが僕にとっては大きい。

 たぶん僕より少し前の世代では、そういう人たちは銀行に行ったり、官僚になったりしていたと思います。それが21世紀初頭ぐらいはコンサルファームに行った。実際、「この時代のトップリーダーになるな」と感じるヤツが集まって梁山泊になっていたという実感があります。

 ただ、それを今も保てているのかというとちょっと疑問で…。今の時代には、ものすごく面白いヤツ、優秀なヤツはいきなり起業することが多いんじゃないか。そっちがメーンストリームになっているんじゃないかという気がします。