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 日経ビジネスと経団連ダイバーシティ推進委員会企画部会はこのほど、日経ビジネスが2019年4月15日号で掲載した「読者と考えた 御社の女性が活躍しない3つの理由」を題材にした意見交換会を開いた。同記事は日経ビジネス編集部と読者が共に取材し、議論しながら記事を作り上げる「オープン編集会議」の成果で、働く女性が直面する要因を探る内容。意見交換会では編集会議メンバーが、女性がさらに活躍するための3つの課題を挙げ、これらを解決する必要があると経団連に提言した。

企業関係者と読者が意見を交わした

 経団連側からはアフラック生命保険や全日本空輸、日本アイ・ビー・エム、日立製作所など13社から19人が出席。日経ビジネス側からはオープン編集会議のメンバーら12人が参加した。

 今回のオープン編集会議は今年2月に発足。会社員から起業家、専業主婦経験者まで幅広いバックグラウンドを持つ22人が集まり、日経ビジネス編集部記者との取材や、メンバー同士の意見交換、さらに日経ビジネス電子版内に設けたオピニオン・プラットフォーム「Raise」上での議論を通して、女性の活躍を妨げる要因を探った。その成果をまとめたのが、「読者と考えた 御社の女性が活躍しない3つの理由」だ。

 意見交換会はまず、編集会議メンバーが働く女性が直面する課題として、①育児期間がキャリアのブランクになる②周囲の理解が不足している③日本企業では仕事が属人的で、互いに補い合うように仕事ができない──の3点を提示する形でスタートした。

 同会議メンバーで、子育て中の会社員、高橋直子さんは①について、「日本では、上司の目の前で汗をかく社員が評価されやすいが、育児をしていてはままならないときもある」と指摘。「人事評価を新しい時代にマッチさせるべきだ」と提言した。これに対し、経団連側の参加者である日本ユニシスの白井久美子・業務執行役員は「産休・育休年度の人事考課は、昇進・昇格上不利になる場合、評価に含めない」といった自社の取り組みを紹介、産休・育休がキャリア形成に影響を与えない工夫を凝らしていくことの重要性を説いた。

 ②の周囲の理解不足や、③の業務プロセスについては、突き詰めれば「昭和的な働き方」に原因があるとの認識で一致。「女性は出世したがらない」「子供のいる女性は育児に集中したいだろう」といった周囲の固定観念をなくすためにも、「本人が何をしたいのか、対話する時間を設けることが大事」といった意見が出た。

 議論を深める中で浮き彫りになったのは、女性の活躍を阻む要因を取り除くには、結局のところ、「女性だけでなく、男性も働きやすい環境をつくるのが重要」という点。野村証券の園部晶子・ダイバーシティ&インクルージョン推進室長は具体例として、同社が育児中の女性が働きやすいようにと、テレワークを打ち出したときには利用者が80人程度にとどまったが、「テレワークは災害時に備えるためなど、育児以外の理由を並べることで、男性管理職の活用も進んだ」と紹介した。

 経団連の井上隆常務理事は「日本の女性活躍は引き続き道半ば。経団連としても取り組みを加速していきたい」と総括した。

 日経ビジネスでは今後も様々な社会課題について、オープン編集会議やRaiseを通じて読者と共に議論を深め、解決策を提示、発信していく。

オープン編集会議メンバーの取材に応じていただいた元経団連審議員会副議長の吉田晴乃さんがこのほど亡くなった。吉田さんにはRaise で女性のキャリアを議論した際にも、意見を寄せていただいた。ご冥福をお祈りいたします。