
プログラムの進行予定
お題は以下のように進んでいきます。2週間にわたってみなさんの意見を募集します。
7月22日(月): | スーパーで農産品を購入するとき、どのような視点で選びますか |
7月24日(水): | 玉ねぎのイメージについて、消費者の目線で挙げてください |
7月26日(金): | より稼げる玉ねぎのプロデュース策を提案してください |
7月30日(火): | ブランディングの観点から深掘りしましょう |
8月1日(木): | 商品化の観点から深掘りしましょう |
8月2日(金): | 講評 |
議論に入る前に、そもそもなぜ農業の付加価値を高め、稼ぐ力をつける必要があるのかを整理しておきましょう。
下のグラフを見てください。日本の農業人口が大きく減っていることが分かります。
なぜ、農業人口が減少するのか。そもそも人口減社会だから、というのも1つの理由ですが、農業経営に詳しい東京農業大学の鈴村源太郎教授は「最近の農作物価格の低下傾向から、農業はもうからないというイメージがあり、若い世代がなかなか入ってこない」と指摘します。
実際に農水省がまとめた2017年の農家総所得をみると、農業を主とする主業農家で1経営体あたり平均802万円です。また1経営体で平均2.07人働いているので1人あたりでは387万円となります。国税庁によると、17年の平均給与所得は1人当たり432万円ですから、確かに低収入の問題がありそうです。
さらに鈴村教授は「新規で就農しようとすると、土地や技術の取得コストなど初期投資がかさむこともあり、経営を軌道に乗せるには時間がかかる」と農業の参入障壁の高さも問題だと言います。「作るものにもよるが、就農前に1000万円の貯金がないと厳しい」(鈴村教授)。それが現実のようです。
ただ、やり方次第で、農業を稼げる仕事にすることは可能です。
ビジネスの観点で農業を展開する方向性を考えてみましょう。鈴村教授によれば、経済成長の考え方には「ファームサイズ志向」と「ビジネスサイズ志向」の2つがあるそうです。
ファームサイズ志向は面積を拡大していくことで農業を成長させ、スケールメリットを活かしコストを抑え利益を生み出すやり方。ビジネスサイズ志向は施設園芸など作付面積が広くない中で、付加価値を十分高めた農産物を販売することで利益率を高めようとする方法です。