日経ビジネスRaiseでは、「IoTでカッコイイ一次産業をつくろう」をテーマに議論を進めています。人手不足が深刻化する農業や水産業のIoT化に取り組むNTTドコモに、導入している最新技術の現状と課題について聞きました。(聞き手は藤中潤)

NTTドコモの横井優子氏(左)と川野千鶴子氏

第一次産業とNTTドコモ。一見、接点がそれほどあるようには思えませんが、どのようなことをされているのですか。

川野千鶴子・地域協創・ICT推進室(以下、川野氏):大きく分けて、農業、畜産業、漁業の3分野に取り組んでいます。例えば農業では、米作り。米作りでは田植えや稲刈りなどで機械化が進んでいますが、これまであまり進んでこなかった部分があります。それは水の管理です。

 水の管理は「米作りで一番重要」とも言われています。田植えから収穫までの稲の成長に合わせて調整が必要で、気候も考慮しなくてはなりません。そのために、農家さんはこまめに田んぼまで行って見回りをしており、負担は軽くありません。

 ドコモでは水田の水位や水温を測る「水田センサー」を開発している企業と協力し、計測データを農家さんがスマートフォンなどで確認できるサービスを展開しています。これによって、1日に何度も田んぼを見回りする必要がなくなります。

田んぼの水位や水温を計測する「水田センサー」

どれくらい導入が進んでいるのですか。

川野氏:すでに5000台近く販売しています。導入した農家さんからは手間が省けたと歓迎の声が寄せられています。

 現在は水田の状況を観測するだけでなく、そのデータに基づいて水量を自動で調整する仕組みを作ろうと実証実験をしています。水田と水路をつなぐバルブを開け閉めして、給水や止水を行うのです。バルブは形状などにさまざまな種類あるので難しい面もあるのですが、早期の実現を目指しています。

そのほかの分野はいかがですか。

横井優子・地域協創・ICT推進室主査(以下、横井氏):水産業では養殖業を中心にIoTの活用が広がっています。その一つが海に浮かべる「ICTブイ」です。

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