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華やかなイメージが強い総合商社。しかし、三菱商事が主力事業のひとつに据えるエネルギー事業は、国内のインフラを支える硬派なビジネスだ。石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を輸入する中で、商社はどのような役割を果たしているのか。三菱商事のエネルギー資源戦略室マネージャーの朝川皓之氏に聞いた。(聞き手は古川湧)

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<オンライン・インターン>
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JR東日本「10年後の駅の役割を考えよう」
三菱商事「天然ガスビジネスを学ぼう」
エネルギー資源戦略室マネージャーの朝川皓之氏

日本のエネルギー自給率は数%程度で、諸外国と比べて低いとされています。エネルギー自給率が低いと、どのような課題があるのでしょうか。

朝川皓之・エネルギー資源戦略室マネージャー(以下、朝川氏):大きな課題は二つあります。一つはエネルギーの安全保障が脅かされるリスクが高まること、もう一つはエネルギー調達コストが市況の影響を受けることです。前者は、資源国の政治的状況によって必要なエネルギー資源を調達できないリスクが高まることが課題です。後者は、資源価格が高騰すると、我々の生活を支える電気、ガス、様々な商品・サービスのコストが押し上げられ、結果として日本企業の国際競争力が落ちてしまうという課題があります。

現状、日本はエネルギー資源を輸入に大きく頼っています。この問題を解決することはできないのでしょうか。

朝川氏:再生可能エネルギーを伸ばすことでエネルギー自給率をある程度は向上できます。しかし、資源が乏しい日本が自給率を大幅に高めることは容易ではないでしょう。その中で三菱商事は日本へのエネルギー安定供給を使命として掲げ、日本のエネルギー問題の解決に少しでも貢献すべく取り組んでいます。

 例えば、2011年に東日本大震災が発生した際は、会社全体で日本のエネルギー確保に尽力しました。全国の原子力発電所が停止し、電力が不足したためです。電力を主に火力発電で補う中、その燃料として特にLNGに注目が集まり、大量調達が急務となりました。

 LNG市場は長期販売契約による取引が主流であり、短期・スポット市場での取引量は限られます。そのような状況で、三菱商事は国内の電力・ガス会社が必要とする追加のLNGを市場から調達しました。