「働きがい」を引き出すために、何をすれば良いのでしょうか。

三村氏:企業や経営者によって千差万別なので選択肢の1つという前提で聞いてほしいのですが、私が意識しているのがまず「夢や志、大義との一体感」。自分の日々の仕事の内容や目的について、いかに会社としての夢や志、大義と一体感を持てるかが重要です。そうしないと、日々の仕事に大きな意味合いを見い出せないですよね。

 イソップ童話で、大聖堂を造っている3人の石工に「なぜやっているのか」を聞いたら、1人目は「言われたから」、2人目は「お金のため」、3人目は「大聖堂を造ることでみんな幸せになることに貢献したい」。どれが良いかは一目瞭然ですよね。アポロ計画当時、NASAの廊下掃除をしている清掃員にジョンソン大統領が「あなたは何のために働いているんですか」と問いかけたら、「私は人類を月に送り届けることに貢献したい」。大きな志との一体感があれば、日々の仕事の使命感が深まります。

ほかの重要な要素は何ですか。

三村氏:2番目に重要なのは、視座の高さと裁量の大きさ。視座が低いと、自分の身の回りの仕事、自分の部門内のことしか分からなくなるので、たこつぼ化とかセクショナリズムが始まります。裁量が少ないとどうしても「やらされ仕事」になってくる。失敗しても成功しても得られるものが少ないと考えます。やはり従業員の目線を「経営者並み」に上げる必要があります。経営者としては先ほど申し上げた夢や志、大義しか語らないと、ふわふわしたものになる。いかに実現するかという道筋と戦略を、課題や時間軸を含めて従業員に説明する責任があります。

コンカーとしての具体的な取り組みは。

三村氏:夢や志、大義の観点でいうと、我々は「Concur Japan Belief」というものをつくっています。ミッションとして「コンカーは何のために存在するのか」。ビジョンとしては「数年後にどこに向かおうとしているのか」。コアバリューとして「社員間で共有するべき価値観は何なのか」。社員のみんなと一緒に決めて取り組んでいます。

 視座を上げるという観点でいうと、我々は情報開示を徹底的にやっています。4半期に1回、オールハンズミーティングをやっていて、半日かけて会社の戦略や経営課題を徹底的に社員と共有しています。会社の財務状況、あるいはビジネスリスクまで含めて開示しています。日々の業務で感じている課題について、会社が何も手を打たないでいると飲み屋で悪口が出ますよね。コンカーでそういうことが私が知る限りあんまりないのは、きちんとリスクや制約条件を共有しているからだと思います。あとは年に1回、オフサイトミーティングがあって、いわゆる合宿です。泊まり込みではなく、オフィスから離れ200名近い社員全員で1日、コンカーの未来と課題を考える場にしています。

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