カブトムシも火葬する!? 

司会:養老先生は、鎌倉の建長寺に虫塚をお作りになったそうですね。

養老:正直なことを申しますと、私もこの年ですから家内が墓のことを言いだして、私も生返事をしていたのです。そんなとき、建長寺に虫塚を作る話が持ち上がりまして、それはなかなかいい考えだと。墓は面倒くさいですから、虫塚を作っておいて私もそこに入ってしまおうと(笑)。虫と一緒にいられるわけですから。

 墓に入れない虫好きな人は、一緒でもいいよということにして過去帳でも、プレートでも記録を取っておいてもらったら、案外面白いお墓になるかなと思いましてね。それで設計を高校の後輩の隈研吾に頼んだら喜んでやってくれて。6月4日を虫の日と勝手に決めまして、建長寺のお坊さんに法要をやってもらっています。

 もう1つの理由は、みなさんに感じていただけているかわかりませんが、実は、ものすごく虫が減っているんです。キャベツ畑にモンシロチョウさえいなくなっている。生き物が生きていくような環境ではなくなっていることを、感じていただきたいと思って、虫塚を作り法要していただくことにしたのです。

司会:そういえば、鵜飼さんの本の中で、カブトムシを火葬してほしいという依頼を受けた業者の話がありましたね。

鵜飼:ある首都圏の火葬場はペット葬専用の炉を持っていまして、そこで聞いた話です。犬や猫以外にもハムスター、爬虫類などの依頼もあるということでしたが、あるOLさんが、飼っていたカブトムシを持ってこられたと聞きました。我々お坊さんの側としては、命を大切にする、手を合わせることは尊いことだというのがありますが、ただ大人になってそこまでしなくてもと思わないでもないです。どうなんでしょう。

養老:虫塚でお引き受けします(笑)。