養老:パリなんかはもう1つ特殊な事情があって、石灰岩地域なので骨が溶けないんですね。累々と骨がたまってしまいますので、市が100年に一度とかで全部片付けるんです。それを地下の鍾乳洞に入れて保管しています。向こうではカタコンベと言いますが、ご覧になった方もあるかと思います。日本の場合は、土葬したら100年も経てばきれいに溶けるのですが、石灰岩質では骨が溶けないんですね。

吉水:以前、在日韓国人の方に頼まれて、在日一世の方のお葬式でお経を上げさせてもらいました。火葬後、四十九日まで日本でお祀りをしてから、お骨は実家のある済州に帰すのだとおっしゃっていました。山のようなお墓があって、そこに何百年も前から続く先祖のお墓があるのだそうです。カタコンベの話を聞いていて、同じ地域で生きた人たちが葬られ一緒になっていく文化は国が変わっても共通するのだなと感じました。

鵜飼:お骨文化は、東日本と西日本でも違いますね。うちの寺がある京都では、骨を全部出して納骨するので、20年たったらもうなくなってしまう。ところが都会の納骨堂はずっと骨壺のまま置いておきますから、どんどんたまっていきます。ですから、13回忌まで、17回忌まで、というような契約にしているところも多いです。

立体駐車場式の巨大納骨堂はICカードで管理

司会:近年お墓は、伝統的ないわゆる家墓、家族墓だけではなく、夫婦墓や合同墓、永代供養墓など多様な形が表れています。都会の納骨堂では、ビル型の巨大なものも建設されているそうですね。

鵜飼:1万基を収容するような巨大納骨堂が作られています。高度成長期、東京に出て就職し家庭を築いた団塊世代が、親を亡くしたあと、菩提寺の墓じまいをして一族のお墓、あるいは親のお墓を自分たちの住んでいる東京の墓地に移す動きが今起こっています。

 ICカードをかざすと、立体駐車場のように自動搬送されてくるビル型の納骨堂が10カ所ぐらいあり、2020年には倍増すると言われています。すでに赤坂見附の駅前に4500~4600基を収容する自動搬送式納骨堂のビルが建っていますけれども、その隣にも別の宗派がビル型納骨堂が最近できた。こちらは1万基近い規模だと聞いています。そうした大規模納骨堂に地方からどんどん集まりだしているのが現状です。