厳しい質問に逃げ出す候補者には、「職業としての政治家」への気構えが感じられません。厳しい質問を投げかけることで、その候補者の本質を引き出す。それが、「職業としてのジャーナリスト」の仕事。これが福田君との暗黙の共通理解です。

 池上さんと福田さんと政治の話をする際に必ず出てくるのが、マックス・ウェーバーの著書『職業としての政治』です。

 

 今回の新書には、選挙特番同様に、選挙を楽しむための工夫がなされていますが、その底流には、政治家に対して「職業としての政治家」への気構えを問う姿勢があります。厳しい質問に気色ばむ政治家も少なくありませんが、相手を怒らせることが目的ではありません。「池上無双」には、ジャーナリストとしての覚悟があるのです(蛇足ながら、とんでもない変化球を投げて相手を怒らせることが「池上無双」ではないので念のため!)。

18歳選挙権の可能性

 今回の参議院選挙では、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。選挙権年齢の改正は実に70年ぶりのことになります。

 現在の日本では、若者たちの投票率が低いことが問題になっています。2014年の衆議院選挙の年代別投票率を見てみると、20歳代の投票率は約32%。最も多い60歳代の約68%に比べて半分以下です。政治家も人間ですから、自分に投票してくれる人たちに向けた政策がどうしても多くなる。いわゆる「シルバー民主主義」というものです。

 若者からすれば、「どうせ自分が投票に行っても世の中は変わらないよ」ということかもしれませんが、実はそういう態度が政治を悪くしているのかもしれない。本書では、まず政治を楽しんでもらうことで、若者たちの政治への参加を促す役割も果たしていると言えます。