視聴者は絶賛、政治家は震え上がった

6月22日に第24回参議院選挙が公示され、7月10日の投開票日へ向けて熱い選挙戦が行われています。
タブーなき選挙報道を貫き、「池上無双」なる言葉を生んだテレビ東京「池上彰の選挙ライブ」。テレビ東京では、今回も池上彰さんをメインキャスターに据えた選挙特番を放送します。視聴者からは、「池上無双」ふたたび! の期待の声が高まっています。
2016年は選挙イヤー。直前まで衆参ダブル選挙が噂されていましたが、結局、衆議院選挙は行われないことに。しかし、東京都では、舛添要一都知事の辞任を受け、事実上のダブル選挙となっています。また、海外に目を向けると、アメリカでは4年に一度の大統領選挙が行われます。日米ともに大事な“選択”の年となるわけです。
そんな中、「池上無双」と呼ばれた池上彰さんとテレビ東京の選挙報道をたどり、その舞台裏をひも解くことで、政治にもっと興味をもってもらうきっかけとなる本をつくることができるのではないか――。
そう考えた私は、番組プロデューサーである福田裕昭さんに企画をもちかけました。著者の福田さんは、数々の池上さんの番組を手がける名プロデューサー。「池上さん行くところに福田あり」と言われるほど熱心なクリエイターです。企画を快諾いただき、番組同様、「これまで見たことがない選挙本」をめざしていくことになりました。タイトルはズバリ、『池上無双』。
「池上無双」は選挙報道に変革をもたらしました。タブーを恐れない池上さんの鋭い突っ込み、ユニークな当確者プロフィール、見てすぐわかる立体模型、視聴者目線の池上バスツアー……等々。これまでの選挙番組にはなかったさまざまな工夫がなされています。まさに、選挙を楽しむ番組だったわけです。
選挙番組はこういうものだよ、といった先入観を排し、前例にとらわれない制作姿勢を貫く。これが大ヒット番組を生み出しました。本書に書かれた番組づくりの舞台裏は、テレビの世界だけでなく、私たち書籍の編集者にも大いに参考となるものです。
「職業としての政治家」への気構えを問う
池上さんといえば、2010年の流行語大賞・トップテンにも選ばれた「いい質問ですねぇ」という決めセリフが有名です。選挙特番では、池上さんが「いい質問」を政治家にぶつけます。視聴者が、いま知りたい「いい質問」は、政治家にとっては、「厳しい質問」と映るかもしれません。しかし、この質問によって政治家は鍛えられ、私たちは政治に関心をもち、参加していくことになるのです。
本書の巻末には、池上さんによる解説が収録されています。その中で、池上さんはこのように書かれています。
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