中国東北部に位置する黒竜江省、吉林省、遼寧省の3省は長引く経済不振に苦しんでいる。産業は衰え、人口流出が止まらない。同3省を基盤とする金融機関が抱える不良債権は国内で最大。資金調達のコストも大きい。次に銀行危機が起こるとしたら、その最有力候補となる。

<span class="fontBold">中国東北部の経済不振は、冬と同様に長く厳しい</span>(写真=AFP/アフロ)
中国東北部の経済不振は、冬と同様に長く厳しい(写真=AFP/アフロ)

 中国東北部・黒竜江省の鶴崗市に白菜の家と呼ばれる家屋がある。この家屋のためここ数年、同市について悪い評判が立つようになった。とんでもない安値で売られる集合住宅で、1ユニットわずか3500ドル(約40万円)の物件も存在する。これらが青物市場で最も安価な部類に入る白菜に例えられるようになった。

 この地域の経済見通しはあまりに暗く、かつ、それが長期にわたって続いているため、人口流出に歯止めがかからない。市の人口はこの10年間で約16%減少した。市内にある「白菜並み」の家屋は、住民の貧困を緩和する目的で政府が建設したものだ。だが、入居者はほとんどいない。

 負債の返済に四苦八苦する同市政府は財政再建を進めている。同市は2021年12月下旬、経費削減のため職員の新規採用を中止すると発表した。

 鶴崗市の状況は中国東北部で数多く見られる悲劇の一つだ。黒竜江省、吉林省、遼寧省の3省は、かつては工業地帯として栄えたが今はさびれている。ロシアと国境を接し、過酷な長い冬で知られる。

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