アフガニスタンで仮想通貨の利用が急拡大した。通貨が持つ価値の源泉について考えさせられる現象だ。通貨を発行するのが信頼に足る中央銀行ならその価値は保たれる。しかし、制裁下にある国や破綻国家ならどうか。分散型のシステムに基づく仮想通貨の方がより堅固に価値を保てるケースがあり得る。

<span class="fontBold">危機の時、かつてはドルに頼った。だが今は……</span>(写真=アフロ)
危機の時、かつてはドルに頼った。だが今は……(写真=アフロ)

 「経営科学、イスラム金融および財務の研究者」を自称するアブドゥル・ワキールなる人物が9月半ば、SNS(交流サイト)のツイッター上で、アフガニスタンの新政府に対する印象的な要望を書き込んだ。同氏は「タリバンは(米国が科す)金融制裁がもたらす悪影響を回避するため、ビットコイン(の利用)を検討すべきだ」と訴えた。

 タリバン政権が仮想通貨を利用し始めれば、米ドルを基盤とする世界の金融システムから排除されることで生じる影響を軽減できるかもしれない、と指摘した。

 すると同氏のフォロワーの一人がすぐさま異議を唱えた。「タリバンは確かに仮想通貨の利用を考えるべきだが、ビットコインは避けた方がいい。その値動きは不安定極まりない」と警告した。もっともなことだ。

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