アフガニスタンからの米軍撤退を完了したバイデン米大統領の支持率が急落した。現地の混乱を目にした多くの米国民は、撤退を支持していたにもかかわらず批判に転じた。しかし、これが来年の中間選挙まで影響を残すかは不明だ。民主党は景気対策に焦点を切り替える。

<span class="fontBold">バイデン大統領は戦争終結の公約を果たしたと言うが</span>(写真=AP/アフロ)
バイデン大統領は戦争終結の公約を果たしたと言うが(写真=AP/アフロ)

 9月の始まりは、米国の20年にわたるアフガニスタンでの作戦の終了を意味した。同時に、ジョー・バイデン大統領にとり就任後最悪だった1カ月も終わった。米国の有権者の気持ちはかなり前から、アフガニスタンから離れていた。バイデン大統領も、前任のドナルド・トランプ大統領(当時)も、この「終わりなき戦争」を終わらせることを選挙公約に掲げた。

 であるにもかかわらず、多くの米国民は米軍撤退の直接的な結果を目の当たりにしてがくぜんとした。直接的な結果とは、アフガン政権の瞬く間の崩壊、撤退に伴いカブール空港で起きた悲惨な光景、その直後に起きたイスラム国(IS)系勢力 「ISホラサン州」による自爆テロなどだ。このテロで、米兵13人を含む180人以上が死亡した。

 アフガン撤退が完了した今、バイデン大統領は政権を次の段階に進めようとしている。しかし、事はそう単純には運ばないだろう。

 バイデン大統領は撤退完了を宣言する演説の中で、怒りと不敵さと自信とを代わる代わるのぞかせた。まず撤退作戦が「この上ない成功」を収めたと褒めたたえ、「歴史上、これほどのことをなし遂げた国はない」と誇った。

 もっとうまく撤退できたのではとの批判に対しては、「申し訳ないが、同意できない」と反論。「小規模の米軍部隊を残しておくことはできた」と主張する人々は、軽度の戦争など存在しないことを理解していない、と批判した。

 バイデン大統領は「私はこの戦争を終わらせると国民に約束したのだ」と力強く語った。この演説はリチャード・ニクソン大統領(当時)のような現実主義で満ちていた。

 安全保障上の明白な利益が存在しなくなって久しい国に、実質的に2兆ドル(約220兆円)を米国はむなしく費やしてきた、とバイデン大統領は指摘。その間に、中国やロシアが今まさにもたらしている圧力に対処する力を損なってきたと続けた。

続きを読む 2/3 たかが支持率、されど支持率

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