太陽光パネルを搭載する衛星で発電し、無線で地球に送電する。技術が進歩し、こうした取り組みがSF小説の中の話ではなくなりつつある。コストも原発の半分になり得る。もちろん課題はある。法の整備やメンテナンス、宇宙ごみ──。今秋開かれるCOP26での議論が期待される。

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日本のJAXAも宇宙での太陽光発電を視野に入れる(写真=Science Photo Library/アフロ)

 SF作家のアイザック・アシモフは1941年に出版した短編小説『Reason』の中で、地球で暮らす人間が生活を持続するため宇宙で太陽光発電に取り組む世界を描いた。

 それから80年。世界的な気候危機が最重要課題となった今、「宇宙に設置した巨大パネルで太陽光エネルギーを採取し、マイクロ波で地球に送る」というアイデアが実現するかもしれない。

 中国や米国、欧州、日本がこぞってプロジェクトの開発に乗り出している。中国系メディアの報道によれば、中国政府は2030年代までに実際のシステムを稼働させる計画を立ててさえいるという。

 英国政府も、この技術の可能性を探るべく活動に取り組む意向を9月に示す予定だ。同政府は「50年までにカーボンニュートラルを達成する目標において、宇宙太陽光発電がいかに貢献し得るのか」を評価するため実施した新たな調査の結果を発表する。

 英コンサルティング会社フレイザー・ナッシュが作成した報告書は、宇宙太陽光発電は技術的に可能であるだけでなく、メガワット時当たりの発電ライフサイクルコストが原子力発電の半分に収まる可能性があると結論づけている。この報告書を作成するに当たり、同社は欧州エアバスや仏伊合弁の衛星メーカー、タレスアレニアスペースなどから意見を募った。

続きを読む 2/3 大幅なコスト削減が見込める

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