コロナ禍前より在宅勤務が浸透しているIT業界において、住む場所に応じて報酬が決まるのは一般的なことだった。だが在宅勤務が拡大することで、同じ仕事をしていても住む場所で給料が違うのは理不尽と考える人が出始めた。労働市場が逼迫している現状では、労働者の方が力を持つだけに、こうした処遇は是正される可能性もある。

<span class="fontBold">住む地域に応じて給与水準を変えるIT企業は珍しくない</span>(写真=SOPA Images/Getty Images)
住む地域に応じて給与水準を変えるIT企業は珍しくない(写真=SOPA Images/Getty Images)

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、都会で働く多くの労働者は在宅勤務という魅力的な機会を手に入れた。大都市の高い給与を持ったまま、生活費の安い地域に引っ越す手段を得たのだ。移住者が増えることで、経済面でも良い効果がもたらされるのではとみられている。物価が高く、過密した都会にとどまることなく、地方でも質の高い仕事が得られるようになれば、地方経済は活性化すると考えられているからだ。

 だがパンデミック後の世界において雇用主が従業員の給与体系を調整し始めたとしたら、こうした理想は消えてしまうかもしれない。従業員が生活費削減のために転居すれば、雇用主が給与を減らすかもしれないのだから。

 英ロイターの8月10日の報道によれば、米グーグルの従業員は、パンデミック後も在宅勤務を続けることを選んだ場合、住む場所に応じた給与を受け取ることになるだろうという。

 グーグルでは、コネティカット州スタンフォードに住む従業員が在宅勤務になると給与が15%削減される。

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