中国の私立学校の事業が教育当局に移管され始めた。中国政府が進める教育の抜本的見直しの一環だ。小中学生を対象とする学習塾の営利事業も禁止され、民間教育企業の株価が急落している。改革の目的は、民間教育の伸長により拡大した格差の是正と、共産党による教育内容の管理にある。

<span class="fontBold">中国の中学校の授業風景</span>(写真=アフロ)
中国の中学校の授業風景(写真=アフロ)

 中国で、私立学校オーナーが学校を国に譲り渡すよう強制される事例が増えている。中国政府が教育分野の抜本的な見直しを突然開始した。この影響が中国全土に及んでいる。

 公の資料と本紙(英フィナンシャル・タイムズ)の聞き取り調査によると、営利事業として経営されている私立小中学校の少なくとも13校と高校1校が、この3カ月の間に一切の補償を受けることなく市当局に移管された。

 「選択の余地はなかった」。自身が経営する学校を8月上旬に政府の管理当局に委ねたあるオーナーはこう語る。

 公式な数字によれば、中国には私立学校がおよそ19万校ある。中国の全児童生徒の5人に1人、5600万人以上が私立学校に通う。小中学校に限れば、私立学校の数は1万2000校余りだ。

 今回の政策転換に詳しい人物によると、中国政府は、高校以外の私立学校に通う児童生徒の割合を、現在の10%以上から2021年中にも5%以下に抑えたい考えだという。

 北京で活動する、ある中央政府のアドバイザーは次のように語る。「最高指導者らは私立学校が大義のためになるとは考えていない。その役に立つのは公的な教育だ」

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