欧州の12の名門サッカークラブが新リーグの発足を発表した。しかし、計画はわずか2日で頓挫した。ビッグクラブの利益のために構想された計画にファンが一斉に反発。英政府も阻止に動いた。背景には欧州スポーツビジネスが抱える構造的な問題がある。

<span class="fontBold">多くのファンが「拒否」する意向を示した</span>(写真=AFP/アフロ)
多くのファンが「拒否」する意向を示した(写真=AFP/アフロ)

 「これまでのサッカーでは見られなかった興奮とドラマをお届けする」。彼らはそう約束して、ほんの数日の間、本当に興奮とドラマを見せてくれた。彼らが望んだ筋書きではなかったが。

 12の欧州名門サッカークラブが4月18日、従来の枠組みを破る「欧州スーパーリーグ(ESL)」構想を打ち出して波乱を巻き起こした。投資家はこの計画を歓迎した。しかしファンは反発、放送事業者は冷淡な対応を取り、政府は計画阻止を宣言した。48時間後には、参加表明した12クラブの半数が脱落し、ほどなく計画の頓挫が発表された。

 えり抜きのサッカーをまとめて手中に収めようという大胆な賭けとして始まったこの企ては、どうやら失意のオウンゴールに終わったようだ。

 ESL構想は、参加クラブに収入面での安定とリーグでの特権を約束した。しかし、既存体制に挑戦したこれらのクラブは「汚い12クラブ」と呼ばれ、サポーターに膝を屈し、一部のクラブではトップが辞任表明を余儀なくされた。

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